添加剤・フィラー、複合材料の世界市場 市場動向1

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添加剤・フィラーは樹脂に添加することで、機械的特性、電気的特性、熱的特性、耐候性、光学特性などの特性改善もしくは機能付与ができるため、幅広い用途・分野に展開されている。また、単純な添加だけではなく、「有機×有機」「有機×無機」「無機×無機」などさまざまな組み合わせのハイブリッド化(複合化)技術により高機能化が実現されている。

国内では添加剤・フィラー市場は最終製品市場の成熟により微増にとどまる見通しであるが、世界では新興国における経済成長に加え、金属代替などを目的とした樹脂の高機能化、特に自動車分野で市場が拡大する傾向にある。今回は、樹脂の高機能化、複合化技術を軸とし、添加剤・フィラー、マトリクス樹脂、ハイブリッド製品の市場動向を解説する。

■添加剤・フィラー、複合材料の世界市場

 2016年2020年予測2016年比
合計3兆8,794億円4兆7,459億円122.3%
添加剤・フィラー(38品目)2兆8,481億円3兆4,977億円122.8%
応用用途・ハイブリット製品(7品目)1兆313億円1兆2,482億円121.0%
富士キメラ総研推定

2016年の世界市場は、添加剤・フィラーが2兆8,481億円、複合材料が1兆313億円となった。世界的な経済成長に加え、金属代替などを目的とした樹脂の高機能化が特に自動車分野で顕著であることから順調に市場は拡大し、2020年には添加剤・フィラーが2016年比22.8%増の3兆4,977億円、複合材料が同21.0%増の1兆2,482億円が予測される。なお、国内市場は、最終製品市場の成熟により添加剤・フィラーは微増にとどまる見通しであるが、複合材料はFRP(Fiber-Reinforced Plastics)関連製品の需要が好調であることから年率2~3%程度の拡大が予測される。

■添加剤・フィラーの世界市場

 2016年比率2020年予測比率2016年比
合計2兆8,481億円100%3兆4,977億円100%122.8%
機械的改善(12品目)1兆1,492億円40.41兆4,819億円42.4129.0%
電気的機能(5品目)1,727億円6.12,116億円6.0122.5%
熱的機能(6品目)6,522億円22.97,835億円22.4120.1%
耐候・光的機能(7品目)4,994億円17.55,860億円16.8117.3%
架橋・重合(4品目)3,344億円11.73,870億円11.1115.7%
その他(4品目)402億円1.4477億円1.3118.7%
富士キメラ総研推定


調査対象品目
 対象品目(38品目)
機械的改善
(12品目)
ガラス繊維、炭素繊維(PAN系)、炭素繊維(ピッチ系)、アラミド繊維・パウダー、セルロースナノファイバー、摺動性付与剤、流動性改善剤、粘着性付与剤(タッキファイヤー)、耐衝撃改質剤(モディファイヤー)、α‐オレフィンコポリマー、相溶化剤(オレフィン用)、相溶化剤(エンプラ用)
電気的機能
(5品目)
帯電防止剤、帯電防止剤(無機系)、導電性カーボンブラック(低分子、高分子、導電性高分子)、カーボンナノチューブ、グラフェン
熱的機能
(6品目)
難燃剤(臭素系)、難燃剤(リン系)、難燃剤(三酸化アンチモン)、難燃剤(水酸化物)、難燃剤(その他)、近赤外線吸収材料
耐候・光的機能
(7品目)
酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤(HALS)、紫外線遮蔽材料、光拡散剤、高屈折率制御材料、ポリシラン・シルセスキオキサン
架橋・重合
(4品目)
乳化剤(水性樹脂用)、水性架橋剤、光重合開始剤、シランカップリング剤
その他
(4品目)
熱膨張性マイクロカプセル、抗菌剤、消臭剤、防曇剤

添加剤・フィラーが付与する機能や添加剤・フィラーの採用目的に応じ、機械的改善、電気的機能、熱的機能、耐候・光的機能、架橋・重合、その他にカテゴリー分類して市場をみると、世界市場では強度や剛性、耐衝撃性などを向上させる機械的改善カテゴリーの需要が大きく、成長性も高い。中でもガラス繊維、炭素繊維(PAN系)、α―オレフィンコポリマーが市場をけん引すると予想される。

■応用用途・ハイブリッド製品の世界市場(7品目)

 2016年比率2020年予測比率2016年比
合計1兆313億円100%1兆2,482億円100%121.0%
長繊維コンバウンド820億円8.01,248億円10.0152.2%
CFRP・CFRTP中間基材3,840億円37.25,262億円42.2137.0%
放熱コンパウンド5億円0.04.6億円0.092.0%
導電ゴム・エラストマー377億円3.7410億円3.3108.8%
ボンド磁石2,080億円20.22,509億円20.1120.7%
熱電変換材料4億円0.07億円0.1175.0%
熱電変換材料3,187億円30.93,041億円24.495.4%
富士キメラ総研推定

当該市場は、CFRP・CFRTP中間基材、高機能トナー材、ボンド磁石を中心に構成されている。CFRP中間基材は、航空機向けなどを中心に順調な需要拡大が予測される。CFRTP中間基材は技術面やコスト性に課題が残り、採用は一部にとどまっているが、自動車向けなど市場のポテンシャルは高く今後の採用本格化が期待される。高機能トナー材は、ペーパーレス化の進行やコンシューマー向け小型機器の伸び悩み、中国経済の成長鈍化などの影響を受け、2013年前後をピークに微減基調である。ボンド磁石は、中国でフレキシブルフェライトボンド磁石の需要が増加している影響を受け拡大傾向となっている。

参考文献:2017年 高機能添加剤・ハイブリッドマテリアルの現状と将来展望
(2017年06月26日:富士キメラ総研)


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