添加剤・フィラー、複合材料の世界市場 市場動向2

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今回は、今後注目される難燃剤、耐劣化防止材料、塗料用添加剤の市場について解説する。

■難燃剤の世界市場

 2016年2020年予測2016年比
世界市場123.1万トン130.1万トン105.7%

2016年種類別ウェイト
 販売量比率
合計123.1万トン100%
難燃剤(水酸化物)45.5万トン37.0
難燃剤(臭素系)43.6万トン35.5
難燃剤(リン系)19.2万トン15.6
難燃剤(三酸化アンチモン)13.4万トン10.9
難燃剤(その他)1.4万トン1.1
富士キメラ総研推定

難燃剤は、プラスチック、木材、繊維、ゴムなどに難燃性を付与する添加剤で、家電・電子機器、自動車部材、防火繊維など難燃化が必要な筐体や部材に使用される。エンプラ市場の拡大に伴い、市場は今後も年率1%~2%で伸長していく。

水酸化物系難燃剤は他の難燃剤と比較して添加率が20%~30%と高く、特に水酸化アルミニウムは電線被覆の他、幅広い用途で採用されている。また、海外では中国の安価品なども流通しており、市場規模として高いウェイトを占めている。臭素系難燃剤は、電子・電気機器の筐体、繊維、塗料、自動車向けなどで採用され、堅調に市場を拡大しているとみられる。三酸化アンチモンは臭素系難燃剤の難燃効果を高める難燃助剤としての採用が中心である。その他難燃剤は、ユーザーニーズに応じて、使い分けが行われている。

■耐劣化防止材料の世界市場
2016年種類別ウェイト
 2016年2020年予測2016年比
世界市場49.3万トン58.0万トン117.6%
酸化防止剤33.0万トン39.0万トン118.2%
光安定剤(HALS)11.0万トン12.9万トン117.3%
紫外線吸収剤5.3万トン6.1万トン115.1%
富士キメラ総研推定

プラスチックの安定化では、劣化反応のメカニズムが異なる耐劣化防止材料を適切に組み合わせると相乗作用を発揮する。一方で、組み合わせの相性が悪いと拮抗作用が生じてしまう。フェノール系酸化防止剤とリン系酸化防止剤は加工安定性、フェノール系酸化防止剤と硫黄系酸化防止剤は熱安定性、HALSと紫外線吸収剤は光安定性において相乗効果がある。

自動車部品は、鉄からPP(ポリプロピレン)へのシフトが進んでいるため、耐劣化防止材料分野の需要をけん引している。欧米系自動車メーカーを中心に鉄からPPへの置き換え進行、部位はバックドアパネルやフェンダーなどである。PPの需要拡大により耐劣化防止材料の市場は成長している。

■塗料用添加剤の世界市場(2016年)

使用目的品目名塗料向け
販売量(トン)
採用用途・種類
樹脂・塗膜の重合乳化剤(水性樹脂用)3,500水性塗料
光重合開始剤850※UV硬化塗料(木工用、塩ビ床用)
塗膜性能の向上セルロースナノファイバー開発中水性塗料(将来的に溶剤系塗料も)
水性架橋剤720水性塗料
シランカップリング剤18,000重防食塗料、船舶用塗料
消泡剤1,200※塗料全般
機能付与帯電防止剤(無機系)250床用塗料、プラスチック用塗料
導電性カーボンブラック700床用塗料、プラスチック用塗料
難燃剤(臭素系・その他)3,000建築用塗料、工業用塗料
蓄熱・蓄冷マイクロカプセル12※塗り壁、他
熱膨張性マイクロカプセル1,000つや消し塗料、遮熱塗料
※は塗料以外にコート剤向けも含めた国内市場、他は世界市場。

塗料は塗膜成分として顔料、樹脂、添加剤で構成される。これらの成分を溶かすため、有機溶剤(水性塗料の場合は水)が用いられる。塗料の色合いや塗膜性能は顔料や樹脂による影響が大きいが、添加剤は塗膜の性質を調整および補強するために使用される。

参考文献:2017年 高機能添加剤・ハイブリッドマテリアルの現状と将来展望
(2017年06月26日:富士キメラ総研)


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