自動車用材料の世界市場 市場動向1

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自動車メーカーは、低燃費化に向けHVやEVなど電動自動車の生産比率を高めている中で、既存のガソリン車やディーゼル車の低燃費化技術についても、並行して開発していく必要がある。ガソリン車やディーゼル車の低燃費化を図る上で、近年は材料の動向に対する注目度が増している。低燃費化をもたらす自動車の軽量化を実現する上で、「構造の見直し」「低比重化への材料シフト」「新材料の採用」「マルチマテリアルの併用」「既存材料の加工技術の改良」といった材料に関連する取り組みが必須となっている。

今回は、低燃費実現のため車体の軽量化が進む中で、従来材料からの切り替えが進む自動車用材料の世界市場を解説する。

■自動車用材料の世界市場予測

 2016年実績2025年予測2016年比
合計22兆1,794億円29兆834億円131.1%
汎用樹脂1兆9,573億円
(722万トン)
2兆9,906億円
(1,040万トン)
152.8%
(144.0%)
エンプラ1兆3,235億円
(258万トン)
1兆9,075億円
(369万トン)
144.1%
(143.0%)
熱硬化性樹脂1兆1,199億円
(195万トン)
1兆3,534億円
(243万トン)
120.9%
(124.6%)
合成ゴム/エラストマー9,860億円
(246万トン)
1兆2,506億円
(325万トン)
126.8%
(132.1%)
鉄/非鉄金属14兆9,255億円
(1億498万トン)
19兆4,054億円
(1億2,736万トン)
130.0%
(121.3%)
添加剤2,014億円
(94万トン)
3,416億円
(141万トン)
169.6%
(150.0%)
加工品・応用素材1兆6,658億円
(466万トン)
1兆8,343億円
(538万トン)
110.1%
(115.5%)
富士キメラ総研推定

汎用樹脂はPE(ポリエチレン)が最も成長率が高く、続いてPMMA(アクリル樹脂)、PP(ポリプロピレン)、PC/ABS(アロイ)などが高い。PEは主にガソリンタンクで採用され、PPはNAFTA、EUを中心に自動車の外装で鋼板の代替需要を獲得し、市場は拡大している。

エンプラは機構部品などの耐熱性が求められる部分に使用できるため、近年の軽量化ニーズにより金属からの代替需要が増加し、多くの材料が伸長するとみられる。

熱硬化樹脂は、ポリウレタンを除いて自動車生産台数の年平均成長率よりも高い結果となった。ポリウレタンは、自動車における新しい採用箇所などが少なく、軽量化による1台当たりの使用量の減少による影響から自動車生産台数の年平均成長率を下回る。

合成ゴム/エラストマーでは、S-SBR(溶液重合スチレンブタジエンゴム)、ACM(アクリルゴム)、TPC(ポリエステル系エラストマー)、シリコーンゴム、TPV・TPO(オレフィン系エラストマー)、フッ素ゴムは使用量が伸びていくとみられる。特にS-SBRは低燃費タイヤ需要増加により高い伸長が見込まれる。

鉄/非鉄金属は、リチウムの年平均成長率が最も高い。これは電動自動車生産台数の増加による影響が大きい。また軽量化による影響で、高張力鋼やアルミニウム合金、ホットスタンプ材など軟鋼からの代替を獲得し、需要の拡大が見込まれる。

添加剤は、ガラス繊維、炭素繊維は共に高い伸びが見込まれる。特に炭素繊維は汎用樹脂などの性能を向上させる添加剤として期待されている。

加工品・応用素材は、中間膜がサイドガラスへの合わせガラス導入が各地域で進むため需要の拡大が見込まれる。ガラス・グレージング、自動車用塗料は、樹脂製グレージングの利用拡大や3WETシステムの導入による塗装の推進により車1台当たりの利用量が縮小していく。

<対象品目>
汎用樹脂・PE(ポリエチレン) ・PP(ポリプロピレン)
・ABS ・ASA・AES ・PC/ABS(アロイ)
・PMMA(アクリル樹脂)
エンプラ・PA6・PA66 ・PC(ポリカーボネート) ・PBT(ポリブチレンテレフタレート)
・高耐熱樹脂【PEEK(ポリエーテルエーテルケトン)・PI(ポリイミド)】
・PA11・PA12 ・POM(ポリアセタール)
・SPS(シンジオタクチックポリスチレン) ・フッ素樹脂
・耐熱PA(PA46・PA6T・PA9T・PA10T・PA11T)
・m-PPE(変性ポリフェニレンエーテル)
・PPS(ポリフェニレンサルファイド)
熱硬化性樹脂・エポキシ ・不飽和ポリエステル ・ポリウレタン
合成ゴム/エラストマー・EPDM(エチレンプロピレンゴム) ・ECO(エピクロルヒドリンゴム)
・NBR・HNBR(アクリロニトリル・ブタジエンゴム) ・ACM(アクリルゴム)
・フッ素ゴム ・S-SBR(溶液重合スチレンブタジエンゴム)
・シリコーンゴム ・TPS(スチレン系エラストマー)
・TPV・TPO(オレフィン系エラストマー) ・TPC(ポリエステル系エラストマー)
・TPU(ウレタン系エラストマー)
鉄/非鉄金属・アルミニウム合金 ・マグネシウム合金 ・軟鋼
・高張力鋼 ・ホットスタンプ材 ・銅 ・リチウム
添加剤・ガラス繊維 ・炭素繊維 ・CNF(セルロースナノファイバー)
加工品・応用素材・自動車用塗料(中塗り・上塗り用) ・構造用接着剤
・接着性フィルム・繊維 ・ガラス・グレージング ・中間膜

参考文献:自動車用ケミカル&マテリアル市場調査総覧 2017
(2017年07月04日:富士キメラ総研)


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