自動車用材料の世界市場 市場動向2

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低燃費化が進む自動車産業では、異種材料の接合・マルチマテリアル化の取組みが加速している。今回は樹脂材料、金属材料の中で注目される材料の市場規模(販売量)と開発動向を解説する。

■樹脂材料における異種材料接合技術の開発動向
1)汎用樹脂
 2016年
実績
2025年
予測
接合素材開発動向
PP508.8万t753.3万t金属三井化学は金属と樹脂を一体成型することでねじ止めや接合工程を不要とし、軽量化と強度確保を実現しようと2020年頃を目標に研究開発を進めている。
富士キメラ総研推定

2)エンプラ
 2016年
実績
2025年
予測
接合素材開発動向
PA6・
PA66
122.8万t179.2万tAl合金
Mg合金
普通鋼等
軽量化と強度などの両立を図る上で、PAを含む樹脂とアルミニウム合金などの金属との異種接合は、材料メーカーや各種研究機関を含む、さまざまな企業/団体で実施されている。新たな接着剤の開発以外に、レーザーを使用した接着技術などについても検討が行われている。
PA11・
PA12
4.3万t6.5万tEFEP現在、複層のホースを製造する際に、PA11やPA12で製造した層と、耐薬品性の高いフッ素樹脂であるETFEで製造した層を接着剤で貼り付けるケースが多い。ETFEを、粘着性の高いフッ素樹脂であるEFEPに置き換えることが可能となった場合、より容易に接着剤レスが可能になる。
耐熱PA7.1万t9.7万tAl合金
普通鋼等
各種のハウジングで使用する上で、金属素材と異種接合し、軽量化と性能向上の両立を図る検討が行われている。現状では技術面、コスト面共に課題があり、開発段階にとどまっているものが大半である。
PC40.2万t57.5万tAl合金
普通鋼等
外装部品では、アルミニウム合金や鋼板と接合して軽量化を図る技術開発が行われている。PCのような非晶性樹脂は、金属と接合した場合に十分な接合強度を得られる接合技術の確立にまだ時間が掛かるとみられる。また、レーザーを照射して接合するLAMP接合技術が確立されていけば、用途開拓が本格化する可能性がある。
POM36.4万t48.3万tPBT等POMは本来接着性の悪い樹脂であるため、POM同士や他の樹脂との接着が難しい。これまでPOMと他の素材を接着するためには、接着剤と表面加工を併用するか、あるいは溶着を行う必要があった。近年はレーザー加工などにより、POMと他の樹脂の二重成型を行う技術などが提案されており、今後の普及が期待される。
PPS5.9万t10.5万tAl合金
鋼板
金属材料との異種接合実用化には当面時間がかかるものと予測される。ECUケースなどのハウジング系部品を中心に、将来的に異種接合技術の適用が行われていくことが期待される。
富士キメラ総研推定

3)熱硬化性樹脂
 2016年実績2025年予測接合素材開発動向
不飽和ポリエステル42.0万t57.3万t発泡材軽量化を目的に、2枚のGFRPの間に発泡材を挟み込み、パネル部位の代替を狙った部品開発が行われている。GFRPの間に発泡材を入れることで、断熱性、吸音性、衝撃吸収性の向上が図られる。一方、金属に比べて素材強度が劣るため、鋼板に比べて厚みを持たせる必要があり、採用には高強度化が必要とみられる。
富士キメラ総研推定

4)エラストマー
 2016年実績2025年予測接合素材開発動向
TPC5.6万t7.9万tPBT
ABS・PC
GF強化PBTとの組み合わせで、エアダクトに採用されている。ABSやPCとの二色成型品がコンソールシャッターなどの内装部品に採用されている。
金属-当該品-PPS
Al-当該品-CFRP
PBT-当該品-ガラス
東レ・デュポンは「ハイトレル」の特殊グレードとして、当該品を樹脂、各種金属、ガラス、ゴム、CFRPにも接合可能な異種材接合グレードを開発した。

当該品を接着剤のように用いることで異種材料を一体で複合成型するケースや、部品同士の接着剤・シール材として採用されるケースを想定し、需要の開拓を行っている。
TPU1.6万t1.9万tABS、PC、POM機構部品や内装部品で、当該品と熱可塑性樹脂との複合成型を行うケースがある。
富士キメラ総研推定

参考文献:自動車用ケミカル&マテリアル市場調査総覧 2017
(2017年07月04日:富士キメラ総研)


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