国内の容器・包装材市場 市場動向1

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2015年の国勢調査では統計開始以来、初めて人口が減少に転じた。人口の減少は食料品の消費量の減少、それに伴う物流量の減少など、容器・包装にとっては成長阻害要因となる。一見、容器・包装市場にとって厳しい市場環境に見えるが、実際には経済成長以上に拡大する容器・包装品目は多数存在する。

人口の減少とは逆に、単身世帯数は大幅に増加しており、総世帯数も増え続けている。単身世帯の増加は中食市場への影響が大きく、実際にCVSの食品販売額は右肩上がりである。また、人口の減少を補うように、訪日外国人の数も毎年増加しており、飲料や中食市場などは拡大している。今後2020年の「東京五輪」に向けてさらなる訪日外国人の増加が期待される。さらに、スマートフォンの普及などによって、eコマースの利用が増加し、大手配送会社が配送しきれないほど宅配数が増加している。それに伴って、物流資材・重包装も拡大している。

今回は、「高齢化社会」「単身世帯増加」「eコマース」をキーワードに需要が増加している容器・包装の国内市場を解説する。

■国内の容器・包装材市場予測

 2016年実績2020年予測2016年比
合計4兆7,279億円4兆8,417億円102.4%
飲料容器1兆1,434億円1兆1,370億円99.4%
食品容器6,898億円7,445億円107.9%
メディカル969億円963億円99.4%
産業用包装4,971億円4,940億円99.4%
軟包装2,224億円2,390億円107.5%
軟包装用フィルム7,024億円7,127億円101.5%
重包装9,927億円1兆275億円103.5%
関連資材3,832億円3,907億円102.0%
富士キメラ総研推定

国内の容器・包装市場は人口の減少により、食料品の消費量の低下やそれに伴う物流量の減少などが懸念される。しかし単身世帯および高齢世帯の増加や女性の社会進出などによる中食市場の拡大などを背景に、食品向けの容器や軟包装材の需要が増加している。またスマートフォンの普及などによりeコマースを中心とした通信販売の利用が増えたことで物流量が増加しており、重包装は成長市場となっている。市場は2020年まで堅調に拡大するとみられる。

<飲料容器>―PETボトルへのシフトが進み、一部アルミ缶の採用も拡大―
対象品目PETボトル、金属缶、ガラスびん、飲料カートン、チルド飲料カップ、透明飲料カップ
飲料容器は健康意識の高まりによる無糖茶飲料やミネラルウォーター類の伸長、備蓄需要の増加などに伴い、PETボトルやアルミ缶が拡大している。最も市場構成比が高い金属缶やガラスびんなどが縮小しており、市場全体では微増するとみられる。

<食品容器>―軽量化ニーズにより素材のシフトが進む―
対象品目PSP食品容器、HIPS食品容器、OPS食品容器、PPフィラー食品容器、PP発泡食品容器、その他PP系食品容器、PET系食品容器、無菌米飯用容器、バイオプラスチック食品容器、紙カップ
食品容器は単身世帯の増加などにより中食市場が伸びていることから、CVS向けを中心に市場は拡大している。電子レンジ対応が求められる耐熱容器では、軽量化ニーズなどにより素材のシフトが進んでおり、PPフィラー食品容器からPSP食品容器やPP発泡食品容器への切り替えが進んでいる。

<メディカル>―一定の需要はあるものの、微減で推移―
対象品目PTP包装、分包・SP、バイアル、プレフィルドシリンジ、輸液バッグ、アルミチューブ
メディカル分野は一定の需要はあるものの、薬価の改定や医療費削減、患者の負担軽減を目的とした服用・処方回数及び量の低減などを背景に、微減するとみられる。

<産業用包装>―自動車部品の海外生産拠点への輸送ニーズにより防錆フィルムが伸長―
対象品目エンボスキャリアテープ、ICトレー、防錆フィルム、PE・PPボトル、エアゾール缶紙器、パルプモールド容器
産業用包装はほとんどの品目が横ばいで推移するとみられるが、防錆フィルムは自動車部品などの国内外への輸送に使う包装材として普及しており、今後海外生産拠点への輸送ニーズの高まりを受けて市場は堅調に拡大するとみられる。

<軟包装>―電子レンジに対応した製品が好調―
対象品目パウチ(食品用)、パウチ(非食品用)、電子レンジ対応パウチ、リサイクル樹脂系パウチ、ラミネートチューブ、ラップフィルム(小巻)、ラップフィルム(業務用)、シュリンクフィルム、ラベル用シュリンクフィルム、脱酸素フィルム、吸湿フィルム、鮮度保持フィルム、抗菌フィルム
軟包装はトイレタリー製品や医薬品向けなどでも幅広く使用されており、需要は安定している。食品包装向けが増加しており、電子レンジに対応した高付加価値製品の比率が高まっている。

<軟包装用フィルム>―食品の長期保存ニーズなどからバリアフィルムが伸長―
対象品目バリアフィルム、アルミラミネートフィルム、その他軟包装用フィルム
軟包装用フィルムは食品包装、非食品包装共に汎用的に採用されているため、需要の大幅な増減はみられないものの、食品の長期保存ニーズなどからバリアフィルムの需要が増加している。

<重包装>―eコマースを中心とした通信販売で需要増加―
対象品目段ボール、プラスチック段ボール、プラスチックコンテナ、プラスチックパレット、ドラム缶、IBC、フレキシブルコンテナ、バルクライナー、PE重袋、バッグインボックス、ペール缶
重包装は加工品や調味料などの食品、医薬品、LCDなどのエレクトロニクス製品や化学薬品などの運送用として使用されている。近年はeコマースを中心とした通信販売の利用が増えたことで物流量が増加しており、市場は堅調に拡大するとみられる。

<関連資材>―PETボトルキャップ、軟包装ラミネート用接着剤が伸長―
対象品目粘着ラベル・テープ、チャックテープ、紙管・プラスチックコア、包材用接着性樹脂、軟包装ラミネート用接着剤、気泡緩衝材、PETボトルキャップ
関連資材は用途となる容器・包装市場に連動した動きとなる。PETボトルキャップ、軟包装ラミネート用接着剤、気泡緩衝材の需要が増加しているものの、大きく伸長する品目はなく、市場は横ばいになるとみられる。

参考文献:2017年 パッケージングマテリアルの現状と将来展望

技術革新が進む自動車業界特集


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