光通信関連の世界市場 市場動向2

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2016年から2017年にかけてのワールドワイドにおける光通信関連市場は、中国を中心としたFTTx、基地局のバックホール市場がやや低迷したものの、米国企業を中心としたデータセンター市場は好調に推移した。

今回は、アプリケーション別、地域別の需要動向を解説する。

■アプリケーション別の需要動向

 データ伝送
(G:Gbps)
拡大要因
光幹線系ネットワーク・主力は100G
・200Gも登場し、400Gの開発が進む
・中国の長距離向けの市場が好調に推移した。
(新規のFTTxや基地局用インフラの増設)
・米国のデータセンター間伝送の需要が拡大。
FTTx・主力は1.25G、2.5G
・10Gの市場が2016年に立ち上がった
・中国の政策「ブロードバンドチャイナ」により2020年に向けて農村部の光通信インフラの拡充が進む。
携帯電話基地局及ぶモバイルバックホール・主力は10G
・第五世代への移行で25Gへ
・新興国での第四世代基地局敷設の継続と、先進国での第五世代基地局敷設の新規投資。
データセンター・主力は100G(米国)
40G(日本、中国、欧米)
・2017年中にもクライアント側
200G・400G光トランシーバーの投入が予想される
・需要の中心である米国でのデータセンター間伝送の需要増加によるネットワーク増強。
・OTT(Over The Top)と呼ばれるAmazon、Apple、Facebook、Googleなどの米国系大手サービスプロバイダーのデータセンター事業者化の進展

光幹線系ネットワークは、長距離で拠点間を結ぶためのコアネットワークとメトロネットワークであり、FTTx、携帯電話基地局およびモバイルバックホール、データセンターでの需要が伸びることで、拡大していく。

光幹線系ネットワーク、FTTx、携帯電話基地局およびモバイルバックホール、データセンターでの需要増加に加え、各需要先でのビットレートが一段階上がった製品の採用などにより、光伝送装置・関連装置、デバイス・材料・測定器の市場は拡大が予想される。


■地域別通信インフラの光化動向(2016年-2017年)
1.日本市場
項目概要
幹線系・東名阪など主要な幹線網はすでに引き終わっているが、新たなラインカードの調達など増設需要は続いている。
FTTx・日本のFTTx加入者数は2015年以降やや持ち直した。
・2017年は、10G-PONの導入が検討されている。
携帯電話基地局・日本では、D-RAN基地局と呼ばれる局舎内に無線部を同居させたタイプの基地局から、C-RANと呼ばれる無線部と制御部を分離したタイプへの置き換えが進んでいる。
・C-RAN基地局は複数の無線部の制御を集中的に管理することで、基地局間のトラフィック制御や分散管理ができる。
データセンター・日本では、NTT、KDDIなどのキャリア系データセンターと富士通、NECなどのSI事業者系データセンターがクラウドサービスを展開しているケースが多い。これらの企業は、海外事業にも積極的である。トランシーバーは40Gが主流である。

2.アジア市場
項目概要
幹線系・中国では、FTTxや携帯電話基地局需要が拡大したためコアネットワーク、メトロネットワークが不足しており、光アンプモジュールなど長距離伝送関連の部品需要が拡大している。
・東南アジアやインドでは、国によって幹線系への需要が異なるが、総じて市場は拡大要素が多い。
FTTx・中国のFTTx需要は2020年まで堅調に推移していくとみられる。部品レベルでは2016年後半から2017年前半にかけて在庫調整があった関係で市場が縮小した。
・中国では10G-PONの出荷が始まったが、本格導入は先送りになる可能性がある。
・中国以外では、インド、インドネシアなどの人口の多いアジア諸国で2025年に向けてFTTx投資が促進される見込みである。
・2017年は、10G-PONの導入が検討されている。
携帯電話基地局・中国では、第4世代基地局(LTE)の需要は続いているが、部品調達はかなり先まで進んでおり在庫調整が発生した。
・インド、東南アジアなどは第4世代基地局の整備が途中でありその需要が残っている。
データセンター・中国やその他アジア地域のデータセンターは、北米や日本の事業者が経営しているものが多い。また、近年ローカル事業者も増えている。今後も市場の伸びしろが大きな地域である。光トランシーバーは40Gが主流である。
・北米データセンター向けでInnolightなどがハイエンド製品を扱っている。

3.北米市場
項目概要
幹線系・データセンター系市場やCATV系市場が伸びていることもあり、ロングホール、メトロなどの幹線系市場が拡大している。
・特にデータセンター間伝送の市場が拡大している。
FTTx・CATVの光化が進み、CATV事業者(Comcast、Time Warnerなど)が提供するブロードバンド・インターネットサービスの加入者数が多い。
・しかし、最近は米国でもFTTx市場が拡大している。Verizonの「Fios Internet」加入者は100万人を超えた。
携帯電話基地局・米国では第4世代基地局(LTE)投資が一巡し、市場は減少傾向ではあるが、カバーエリア拡大のために投資は継続するとみられる。
・米国では第5世代基地局用導入に向けた実証実験がキャリア主導で進んでおり、2019年から2020年にかけてサービスインが予定されている。
データセンター・データセンターにおける光通信関連市場の拡大は勢いを増しており、光通信市場全体を押し上げている。
・40G光トランシーバーに変わり100G光トランシーバーが主流となっており、2017年末には200G・400G光トランシーバーがリリースされる。
・大手インターネットサービスプロバイダー(ISP)はデータセンターにおける投資金額の削減を目的とし、光トランシーバーの部品レベルの開発を行い、メーカーに要望を出している。シリコンフォトニクス技術の推奨などがその例である。

4.欧州市場
項目概要
幹線系・幹線系の市場は、アジアや北米ほどではないが上昇基調にある。経済発展が進む西欧地域が中心である。これは、FTTxや携帯電話基地局の普及が進んだことで新たな幹線系が必要となったためである。
FTTx・欧州におけるFTTxの累積加入者数は、ロシアが圧倒的に多い。また、累積加入者率はスウェーデン、リトアニアなど北欧が高い。
・単年の加入者数はロシア、フランス、スペインが100万加入を超えている。
携帯電話基地局・欧州では地域差はあるもののおおむね第4世代基地局(LTE)投資が一巡し、市場は減少傾向ではあるが、今後もカバーエリア拡大のために投資は継続するとみられる。
・基地局需要は西欧が比較的高い。
データセンター・データセンターの総売上では、北米の次に市場が大きい。
・ITインフラのアウトソーシングが盛んである。トランシーバーは40Gが主流である。

参考文献:2017 光通信関連市場総調査

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