スポーツ・レジャー用品における機能性素材の市場 市場動向1

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近年、欧米を中心とした諸外国では、スポーツを教育的視点からの振興ではなく、エンターテイメントとしての価値を活用することで収益の最大化や地域活性化に結び付ける取り組みに注力しており、各国のGDP成長率を左右する有望ビジネスのひとつとしての位置付けに変化しつつある。

国内では、2015年10月にスポーツ庁が新設され、「日本成長戦略2016」では、「官民戦略プロジェクト10」のひとつとしてスポーツ産業の成長が目標に掲げられ、スポーツとIT・健康・観光・ファッション等との融合・拡大など具体的な方向性が打ち出されている。2020年の東京五輪開催に向け更なる活性化が期待される。

特に、スポーツウェアは動きやすさや着心地・履き心地、汗をかいた際の乾きやすさなどの快適性が要求され、繊維メーカーは、スポーツ分野における素材開発が積極的に行われている。

今回は、スポーツ・レジャー用品の機能性素材市場を解説する。

■スポーツ・レジャー用品の機能性素材市場

 2016年2020年予測2016年比
合計1,306億円1,393億円106.7%
繊維系素材936億円1,017億円108.7%
樹脂・エラストマー系素材46億円47億円102.1%
フィルム・テープ系素材73億円72億円98.6%
金属系素材26億円26億円100.0%
コーティング剤225億円231億円102.7%
上記は、国内市場+日系メーカーの海外実績富士経済推定

対象品目
区分品目
繊維系素材・透湿防水素材 ・吸汗速乾素材 ・撥水素材 ・クーリング素材 ・ストレッチ素材 ・抗菌防臭消素材 ・UVカット素材 ・吸湿発熱/蓄熱保温素材 ・LCP繊維 ・超高分子量PE繊維 ・PAN系炭素繊維 ・ガラス繊維
樹脂・エラストマー系素材・日本のFTTx加入者数は2015年以降やや持ち直した。
・2017年は、10G-PONの導入が検討されている。
携帯電話基地局・エチレン系アイオノマー ・熱可塑性ポリウレタン ・ポリアミド系エラストマー ・シリコーンゴム ・エポキシ樹脂 ・ポリカーボネート
フィルム・テープ系素材・マーキングシート ・スポーツテーピング
金属系素材・チタン合金 ・アルミニウム合金
コーティング剤・撥水加工剤 ・抗菌・防臭・消臭加工剤 ・吸水加工剤

市場の中心となる繊維系素材は、素材メーカーのスポーツ用品向けへの注力度が高いことから拡大が予想され、今後も市場をけん引するとみられる。また、スポーツ分野で培った技術を作業着や介護、医療などその他の分野へ応用する流れが定着している。

機能性樹脂の多くは産業資材用途を中心として展開されており、スポーツ用途の位置付けは低くなる。エポキシ樹脂はCFRPのマトリクス樹脂として海外向けでの市場拡大が見込まれる。

フィルム・テープ系素材分野のマーキングシート、スポーツテーピングは共に、団体競技での消費を主体とする製品であるが、近年はそのスポーツ人口が減少傾向にあり伸び悩む状況となっている。

金属系素材のチタン合金はゴルフクラブのヘッドに、アルミニウム合金は、野球用の金属バットとしての需要が中心となっており、その他のスポーツ用品での需要開拓が進んでいないことから、微減での推移が予想される。

コーティング剤は、海外のニーズに対応する形で環境配慮型製品の開発が進んでおり、非フッ素系撥水加工剤の品質向上により、市場は安定的に推移するとみられる。


■スポーツ・レジャー用品の機能性ニーズと開発動向

ニーズ機能性素材の開発動向
①パフォーマンス向上・生体機能向上・繊維系素材では軽量化と肌触りなどを向上させるため、ハイゲージや薄さにこだわった素材が展開されており、ストレッチ素材では、良く伸びて良く戻るキックバック性能を高めた素材が開発されている。また、用具においては高強度、軽量化が最大のニーズであることから、CFRPの使用がスタンダードになっている。
②快適性・スポーツウェアでは吸汗速乾が定番機能として定着している。さらに通気性やべたつきを抑えるなどのクーリング素材のニーズも高い。
・また、スポーツウェアのタウンユースを想定し、ストレッチ性の機能付与や生地の柔らかさや薄さにこだわった着心地重視の仕様が増加している。
③意匠性・ランニングやフィットネスなどで使用するウェアはタウンユースや普段着として使用する傾向が強まっており、快適性のほかにデザイン性が重視される。カラーバリエーションなどを豊富にした製品開発が進められている。
④サポート機能・コンプレッションウェアなどは、筋肉のサポートや姿勢の維持、疲労軽減を訴求した製品が確立しており、ストレッチ素材はその役割を果たしている。
⑤身体的負荷軽減・事故防止・身体保護・衝撃の激しい競技や長時間の競技では、衝撃からの身体保護や足への負担低減が必要とされる。衝撃吸収、高強度、耐衝撃性、軽量などの機能を備えたテキスタイル、CFRP、熱可塑性ポリウレタンやポリカーボネートなどの樹脂系素材が採用されている。
富士経済推定

参考文献:スポーツ・レジャー関連先端素材/技術・ITデバイス市場の現状と将来性 2017

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