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光源/照明市場は、LED光源の性能向上と低価格化、それに伴うあらゆる光源・アプリケーションへの採用拡大とこれまでにはない小型化、長寿命化、省エネ化の実現が可能となった。光源/照明市場の成長は、LED光源そのものが持つ「長寿命」、「省エネ性」、「小型」という機能優位性が根幹にある。しかし、LED光源及び採用アプリケーションの普及が進んだことから、機能的価値の差別化が難しくなり、訴求力が減退したことで、市場成長性が減退・喪失している。
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今回は、国内における一般照明市場の動向を解説する。
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■国内の照明市場
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| 2016年実績 | 2025年予測 | 2016年比 |
合計 | 8,905億円 | 7,387億円 | 83.0% |
LED照明器具 | 8,366億円 | 3兆2,174億円 | 3.8倍 |
LED管球ランプ | 1,826億円 | 2,106億円 | 115.3% |
有機EL照明 | 3兆1,450億円 | 5兆2,871億円 | 168.1% |
電熱/放電灯器具 | 9,319億円 | 7兆8,000億円 | 8.4倍 |
電熱/放電ランプ※ | 9,319億円 | 7兆8,000億円 | 8.4倍 |
富士経済推定 |
※電熱/放電ランプは電熱/放電灯器具へのセット向け出荷も含む |
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国内の照明市場は電熱/放電灯の急速な需要減少により既に縮小が続いており、2016年の8,906億円から2025年には7,387億円まで縮小が予測される。LED照明は拡大が続くものの、年々LED化が進んだことや、コモディティ化により機能的価値による差別化が難しくなりつつある。2018年以降は踊り場を迎えるとみられる。 市場の成長は期待しにくいものの、価格訴求に注力する新興メーカーの淘汰も進み、安定性の高い市場構造となりつつあり、膨大にあるストック市場へのLED照明の普及がプレーヤーの収益性を維持する鍵となる。
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■国内のLED照明器具市場
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| 2016年実績 | 2025年予測 | 2016年比 |
LED照明器具 | 5,975億円 | 5,806億円 | 97.2% |
白熱・ハロゲン灯代替 | 1,710億円 | 1,522億円 | 89.0% |
蛍光灯代替 | 2,730億円 | 2,466億円 | 90.3% |
HID灯代替 | 769億円 | 845億円 | 110.0% |
防災用器具 | 766億円 | 973億円 | 127.0% |
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対象品目
白熱・ハロゲン灯代替 | ダウンライト、スポットライト、ペンダントライト、ブラケット等の局所照明 |
蛍光灯代替 | シーリングライト、ベースライト、スクエアグリッド天井、スリムライト・間接照明、防犯灯 |
HID灯代替 | 高天井照明、投光器、道路・トンネル灯、スポットライト |
防災用器具 | 非常灯・誘導灯 |
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国内のLED照明器具市場は、2011年以降に東日本大震災を契機とする節電需要の高まりを背景に、拡大成長を遂げた。2011年以前は、演出用やダウンライトなどの局所照明、誘導灯などの一部製品における採用に留まっていた。2011年以降は、まず局所照明におけるLED化の普及、家庭用のLEDシーリングライトの普及が市場を牽引した。その後、局所照明におけるLED化の進行と同時に、2013年からは蛍光灯代替形ベースライトの本格普及・拡大が市場を牽引している。
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また、2014年以降は、高出力照明である高天井照明や投光器、屋外道路灯においてもLED照明製品の本格普及が始まっている。特に高天井照明は従来光源の水銀ランプの生産・販売を規制する「水銀条約」が2020年に発効されることを受け、好調な拡大が見込まれる。
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市場全体では、LED化率は頭打ちになりつつある一方、従来照明器具の膨大なストック市場に対するLED化は今後進む見通しでストック需要を掘り起こすことで、市場は安定的に推移する見通しである。
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参考文献:Special Appli.光源/照明市場 実態・技術・予測 2018年版 |
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