フレキシブル/有機/プリンテッドエレクトロニクスの世界市場 市場動向1

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近年、ウェアラブルなどIoT向けのフレキシブル技術として、従来の半導体技術とフレキシブルエレクトロニクスを組み合わせる「フレキシブル・ハイブリッド・エレクトロニクス」が米国を中心に進められている。米国や欧州はIoTサービス市場の立ち上げを重視しており、製造プロセス(プリンテッドエレクトロニクス)や材料(有機エレクトロニクス)にはこだわっていない。

しかし、IoT向けのフレキシブルエレクトロニクスを押し進める上で、有機エレクトロニクス、プリンテッドエレクトロニクスの技術の導入は不可避である。信頼性では従来技術に劣るものの、機能性材料の直接配線によるデバイスの高機能化、低コスト化は、IoT向けフレキシブルエレクトロニクスの推進力となるはずである。また、プリンテッドエレクトロニクスは、従来のサプライチェーン(材料→デバイス→サービス)を大きく変革する可能性がある。新規市場の立ち上がりとともに、製造業を取り巻く環境も変わる可能性がある。

今回は、次世代エレクトロニクスとして注目されるフレキシブル/有機/プリンテッドエレクトロニクス関連の世界市場を解説する。

■フレキシブル/有機/プリンテッドエレクトロニクス関連デバイス製品の市場予測

 2016年実績2022年予測2016年比
合計2兆6,758億円8兆8,569億円3.3倍
半導体関連1兆350億円1兆3,615億円131.5%
蓄電・発電5億円1,325億円265.0倍
ディスプレイ・照明1兆6,401億円7兆2,849億円4.4倍
導電性テキスタイル2億円780億円390.0倍
富士キメラ総研推定
対象品目(15品目)
半導体関連RFID、有機メモリー、圧力センサーシート、生体電位センサー、有機イメージセンサーシート、タッチセンサー
蓄電・発電フレキシブル電池、有機薄膜太陽電池、色素増感型太陽電池/ペロブスカイト太陽電池
ディスプレイ・照明大型AMOLED、中小型AMOLED、PMOLED、電子ペーパー、有機EL照明
導電性テキスタイル

2016年市場は中小型AMOLEDの規模が最も大きく、1兆3,784億円であった。また2030年においても5兆80億円程度の規模になると予測され、市場への影響力が極めて大きい。将来的には有機EL照明や導電性テキスタイル、有機薄膜太陽電池、色素増感型太陽電池/ペロブスカイト太陽電池、生体電位センサーなどの市場が拡大すると予測される。

■半導体関連デバイスのフレキシブル動向

 2016年実績フレキシブル採用率20230年予測フレキシブル採用率
合計1兆350億円
(4,993億円)
48.2%1兆3,615億円(8,949億円)65.7%
RFID712億円
(712億円)
100.0%1,480億円
(1,480億円)
100.0%
有機メモリー1億円
(1億円)
100.0%100億円
(100億円)
100.0%
圧力センサーシート89億円
(89億円)
100.0%464億円
(464億円)
100.0%
生体電位センサー僅少420億円
(420億円)
100.0%
有機イメージセンサーシート僅少135億円
(135億円)
100.0%
タッチセンサー9,548億円
(4,191億円)
43.9%1兆1,016億円
(6,350億円)
57.6%
( ):フレキシブル化金額富士キメラ総研推定
タッチセンサーのフレキシブル化は、フィルムセンサーとフレキシブルOLEDのパッシベーション膜上にセンサーを形成する「Y-OCTA」をフレキシブルとして捉えた。今後、ハイエンド以上のスマートフォンで急増していくフレキシブルOLEDでは、フィルムセンサーもしくは「Y-OCTA」を含むオンセルが主流になると見込まれる。なお、「Y-OCTA」構造はSamsung Displayの特許である。

■蓄電・発電デバイスのフレキシブル動向

 2016年実績フレキシブル採用率20230年予測フレキシブル採用率
合計1兆350億円
(4,993億円)
48.2%1兆3,615億円(8,949億円)65.7%
RFID712億円
(712億円)
100.0%1,480億円
(1,480億円)
100.0%
有機メモリー1億円
(1億円)
100.0%100億円
(100億円)
100.0%
圧力センサーシート89億円
(89億円)
100.0%464億円
(464億円)
100.0%
生体電位センサー僅少420億円
(420億円)
100.0%
有機イメージセンサーシート僅少135億円
(135億円)
100.0%
タッチセンサー9,548億円
(4,191億円)
43.9%1兆1,016億円
(6,350億円)
57.6%
( ):フレキシブル化金額富士キメラ総研推定
色素増感太陽電池は、基板にガラスを使用したリジッドタイプも含め研究開発の領域を脱していない。フレキシブルタイプは英国のG24 Power(旧G24 innovations)がタブレットのキーボード用電源などとして出荷実績があるが、数量、金額ともに僅少にとどまっている。フレキシブル化は、液体の電解質が液漏れ事故を起こしたことがあることから、フィルム基材は不安視されており、固体電解質が安定的に製造されるまでは、ガラス基板での製造がメインになると考えられる。

■ディスプレイ・照明デバイスのフレキシブル動向

 2016年実績フレキシブル採用率20230年予測フレキシブル採用率
合計1兆6,401億円
(3,345億円)
20.4%7兆2,849億円(4兆9,123億円)67.4%
大型AMOLED1,614億円
(-億円)
1兆6,107億円
(76億円)
0.5%
中小型AMOLED1兆3,784億円
(3,262億円)
23.7%5兆80億円
(4兆3,258億円)
86.4%
PMOLED320億円
(6億円)
1.9%347億円
(36億円)
10.4%
電子ペーパー632億円
(70億円)
11.1%725億円
(350億円)
48.3%
有機EL照明51億円
(7億円)
13.7%5,590億円
(5,403億円)
96.7%
( ):フレキシブル化金額富士キメラ総研推定
中小型AMOLEDが全体市場に及ぼす影響が大きく、同製品のフレキシブル市場は、Samsung Displayがフレキシブル向けの設備増強を行っていることから、2017年に1兆2,809億円となる見込みである。また、フレキシブル製品採用率は2016年の23.7%から2017年に66.7%へと大きく拡大すると見込まれる。中小型AMOLED以外に電子ペーパー、有機EL照明がフレキシブル化をけん引していくと見込まれる。


フレキシブルエレクトロニクス基板材料として、ガラスなどリジッドな材料ではなく、フィルム、紙、繊維等のフレキシブルな材料を用いたエレクトロニクスである。薄型、軽量、割れないことが重視されている。
参考文献:2018 フレキシブル/有機/プリンテッドエレクトロニクスの将来展望

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