PAN系炭素繊維複合材料の世界市場 市場動向2

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今回は、PAN系炭素繊維の世界市場を解説する。

■PAN系炭素繊維の世界市場規模予測

 2016年実績2030年予測2030/2016
合計金額1,811億円5,637億円3.1倍
数量66,500t321,280t4.8倍
CFRP用途金額1,720億円4,993億円2.9倍
数量62,600t257,780t4.1倍
CFRTP用途金額91億円644億円7.1倍
数量3,900t63,500t16.3倍
富士経済推定

現状はCFRP向けが大部分を占めている。今後もCFRP向けは伸びる。一方、CFRTP向けは2025年頃から自動車用途でCFRTPの採用が本格化する。2030年には数量ベースで全体の20%近くを占めるまでに増加するとみられるが、自動車業界は価格要求が強いことから、金額ベースの市場構成比は11.4%にとどまると予測される。

■PAN系炭素繊維トウ別の世界市場規模予測

 2016年実績2030年予測2030/2016
合計66,500t321,280t4.8倍
レギュラートウCFRP42,000t168,580t4.0倍
CFRTP2,000t26,600t13.3倍
ラージトウCFRP20,600t89,200t4.3倍
CFRTP1,900t36,900t19.4倍
富士経済推定

炭素繊維は繊維束の本数によってレギュラートウ(RT)とラージトウ(LT)に大別される。RTは繊維束が24,000本までの炭素繊維であり、LTは40,000本以上の繊維束である。

レギュラートウは、12Kの標準弾性品を中心として各用途で広く採用されており、今後も過半規模での採用が継続する見通しである。CFRTP向けでは、現状レギュラートウとラージトウの採用比率は同等であるが、近年のトレンドとしては安価なラージトウの需要が拡大している。CFRTPはマトリクス樹脂の含浸性が課題となっているため、レギュラートウでの採用が先行すると想定される。長期的には技術改善も進むと想定されラージトウ比率が上昇すると予測される。

■PAN系炭素繊維種類別の世界市場規模予測

 2016年実績2030年予測2030/2016
合計66,500t321,280t4.8倍
連続繊維CFRP62,500t245,080t3.9倍
CFRTP200t50,500t252.5倍
不連続繊維CFRP100t12,700t127.0倍
CFRTP3,700t13,000t3.5倍
富士経済推定

繊維形態は、連続繊維と繊維がカットされた不連続繊維(5mm前後以下の短繊維と5mm前後以上の長繊維)に大別される。短繊維は成形性や分散性に優れる一方、成形品の機械強度は長繊維と比較して低い。長繊維は成形品の強度や弾性率、耐摩耗性、摺動性、熱伝導率、電気伝導性、電波遮蔽性、寸法安定性などに優れるが、射出成形時のサイクル性が低下し、成形コストが上昇する上、加工技術のハードルも上昇する。連続繊維は複合材における炭素繊維の含有率が高くなるため、不連続繊維に比較して機械強度に優れた成形品が得られる。

連続繊維は、CFRP向けが大半を占めているが、今後はCFRTP向けでの市場拡大が予測される。

短繊維や長繊維の不連続繊維は、現状CFRTP向けのコンパウンド用途として採用されている。長繊維は自動車用途で採用事例があるが、需要の多くは短繊維となっている。今後CFRP向けにおいても自動車用途でSMC成形の拡大が予測されるため、CFRP向けの需要構成が上昇すると見られる。

参考文献:炭素繊維複合材料(CFRP/CFRTP)関連技術・用途市場の展望 2018

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