接着剤・粘着剤・シーリング剤の国内市場

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接着剤・粘着剤・シーリング材は自動車、エレクトロニクス、建築、土木、包装、製本、紙加工、繊維、皮革、合板、木工等あらゆる分野において様々な用途で使用されている。近年は住宅着工戸数が緩やかに回復の傾向にあるほか、2020年開催の東京オリンピックを控えて、建築、土木分野における粘・接着剤需要が好況にある。また社会インフラの改修・補修用途に接着剤・粘着剤・シーリング材の需要拡大も予測される。 今回は、形態別主成分別に整理した32品目の国内市場を解説し、注目4品目をレポートする。

■接着剤・粘着剤・シーリング材の国内市場規模予測

反応形態別国内市場
 2016年実績2022年予測2016年比金額
合計3,551億円
(94.7万t)
3,780億円
(99.5万t)
106.4%
反応形1,020億円
(13.3万t)
1,126億円(14.5万t)110.4%
溶剤形132億円
(2.0万t)
133億円(1.9万t)100.8%
水性形664億円
(44.7万t)
674億円(45.8万t)101.5%
ホットメルト形604億円
(11.2万t)
654億円(12.5万t)108.3%
感圧形355億円
(14.8万t)
359億円(15.1万t)101.1%
シーリング材776億円
(8.7万t)
834億円(9.7万t)107.5%
※( )は数量、縮合形は水性形とした富士経済推定

当該市場は、反応形、ホットメルト、シーリング材が市場拡大をけん引しており、今後も、これらの形態は成長が期待されることから、2022年には、3,780億円(2016年比106.4%)になると予測される。

反応形は、変成シリコーン系接着剤が2020年までは、年率4~5%の成長が予測され、2020年以降も建物のメンテナンス需要の増加によって伸びると予想される。また、シリコーン系接着剤が自動車向けで需要を獲得しており、伸びると予想される。要因としては、自動車の電装化の進展やハイブリッド自動車や電気自動車の生産拡大が挙げられる。

ホットメルト形は、メタロセンPO系ホットメルト接着剤がダンボール封函用途でEVA樹脂系ホットメルト接着剤からの代替が進み伸びている。現在は大手ユーザーが中心であるが、今後は中小規模のユーザーでも代替が進むとみられ伸びが予想される。また、エラストマー系ホットメルト接着剤が、近年の高齢化・介護需要の増加によって紙おむつ向けを中心に伸長していくと予想される。

シーリング材は、シリコーン系シーリング材は戸建住宅向けが微増となっているほか、オフィスビルやマンション向けが堅調である。今後は、公共施設などで改修工事を含めた需要が増加するとみられ伸びが予想される。

<調査対象品目>
反応形(9品目)・シアノアクリレート系接着剤(瞬間接着剤)
・シリコーン系接着剤
・変成シリコーン系接着剤
(変成シリコーン系弾性接着剤)
・ウレタン樹脂系接着剤
・エポキシ樹脂系接着剤
・第2世代アクリル系接着剤(SGA)
・紫外線硬化形接着剤
・嫌気性接着剤
・シリル化ウレタン系接着剤
(シリル化ウレタン系弾性接着剤)
溶剤形(2品目)・CR系溶剤形接着剤
・非晶性ポリエステル樹脂
水性形(4品目)・アクリル樹脂系エマルジョン形接着剤
・EVA樹脂系エマルジョン形接着剤
・酢酸ビニル系エマルジョン形接着剤
・水性高分子-イソシアネート系接着剤
縮合形(3品目)・ユリア樹脂系接着剤
・メラミン樹脂系接着剤
・フェノール樹脂系接着剤
ホットメルト形(9品目)・ウレタン樹脂系反応型ホットメルト接着剤
・エラストマー系ホットメルト接着剤
・オレフィン系ホットメルト接着剤
・メタロセンPO系ホットメルト接着剤
・ブチルゴム系ホットメルト接着剤
・EVA樹脂系ホットメルト接着剤
・ポリエステル系ホットメルト接着剤
・ポリアミド系ホットメルト接着剤
・フィルム状ホットメルト接着剤
感圧形(2品目)・アクリル樹脂系溶剤形粘着剤
・アクリル樹脂系エマルジョン形粘着剤
シーリング材(3品目)・シリコーン系シーリング材
・変成シリコーン系シーリング材
・ポリウレタン系シーリング材

■注目品目の国内市場規模予測
1.変成シリコーン系接着剤(変成シリコーン系弾性接着剤)
 2016年実績2022年予測2016年比
数量23,000t30,700t133.4%
金額184億円231億円125.5%
富士経済推定
定義:変成シリコーンを主成分とする接着剤を対象とし、シリル化ウレタンを主成分とする接着剤は対象外とする。

変成シリコーン系接着剤(変成シリコーン系弾性接着剤)は硬化後もゴム状の弾性を維持し、応力や熱による歪みを吸収する特性を持つ弾性接着剤である。被着体の幅が広く比較的どの材質にも接着しやすい。主要用途は建築分野であり、外壁のタイルや建物の床材の接着に採用される。変成シリコーン系接着剤は、硬化後も剥がしやすく、余分に接着した部分を剥がすことができるためウレタン系接着剤に代わり需要が増加している。また、タイルのひび割れに対して強いため、タイル向けで販売が増加している。

2.エラストマー系ホットメルト接着剤
 2016年実績2022年予測2016年比
数量711,600t942,800t132.5%
金額27億円35億円129.6%
富士経済推定
定義:主成分にスチレン系熱可塑性エラストマー(SIS、SBS、SEBS、SEPSなど)を用いたホットメルト接着剤。
エラストマー系ホットメルト接着剤は、接着層に弾性があり紙や不綿布、フィルムへの接着力に優れる。紙おむつなどの衛生材向けが主な用途で、近年は高齢化・介護需要の増加に伴って伸びている。また、中国を中心に品質の高い日本製の紙おむつの需要が増加していることも伸長要因となっている。他の用途では、接着後も剥がしやすいという特性を生かし、補修時に剥離性が求められる自動車ランプシールで採用が伸びている。今後も紙おむつなどの衛生材向けの安定した増加が予想される。

3.メタロセンPO系ホットメルト接着剤
 2016年実績2022年予測2016年比
数量10,200t13,000t127.5%
金額50億円60億円120.0%
富士経済推定
定義:メタロセン触媒技術を適用したポリオレフィン(PO)を主成分としたホットメルト形接着剤。
メタロセンPO系ホットメルトは、熱安定性の高さから炭化物の発生を抑えられるため、生産ラインでアプリケータのノズル詰まりによるライン停止回数を減少させることが可能である。近年は、段ボール封函用途にEVA樹脂系ホットメルトからメタロセンPO系ホットメルトへの代替が進み、EVA樹脂系ホットメルトと比較して、面積あたりの接着剤の使用量も削減可能である。国内では大手ユーザーを中心に採用が進んだ。EVA樹脂系ホットメルト用のアプリケータをそのまま活用可能な点も代替を促す要因となっている。今後、中小規模のユーザーでも採用が進み、継続した需要の拡大が予測される。

4.シリコーン系シーリング材
 2016年実績2022年予測2016年比
数量24,450t29,300t119.8%
金額159億円185億円116.4%
富士経済推定
定義:シリコーンを主成分としたシーリング材。1成分形と2成分形がある。1成分形は空気中の水分と反応して常温で硬化する。2成分形は基剤と硬化剤を練り混ぜることで反応して硬化する。
メタロセンPO系ホットメルト接着剤は、耐候性、耐熱性、耐久性に優れた特徴を持つ。現状では建築用途における採用比率が高く、建築着工等に連動する市場となる。近年は、前年比3~4%程度の拡大で推移している。戸建住宅の需要が微増傾向にあるほか、オフィスビルやマンションは堅調に推移しており、安定した市場となっている。今後も改修工事を含めた公共施設等の需要が見込まれる。

参考文献:2018年 粘・接着剤市場の展望と注力用途分野動向

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