自動車用電装システムの世界市場 市場動向1

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2017年7月に英仏両政府が「2040年までにガソリン車やディーゼル車の販売を禁止する」と宣言した。これを機に各自動車メーカーはEVの販売比率を高めていく発表やEV開発体制を強化していく方針を打ち出された。しかし、EVの普及には大きな課題があり、その課題を早期に解決するために自動車メーカーが動き出したというのが実情である。あらためて「環境対策」「電動化」というキーワードが注目されているのは明確である。今後より環境対策が強化され、センサーやアクチュエーターなどの電装品の搭載数が増加していくことを期待させる傾向が強まった。

このような状況の中で今回は、自動車の分野別電装システム市場を解説する。

■自動車用電装システムの世界市場予測

 2016年2017年見込2016年比長期予測
2025年
2016年比
合計19兆5,109億円21兆863億円108.1%35兆404億円179.6%
パワートレイン系7兆2,609億円7兆6,129億円104.8%9兆7,323億円134.0%
HV/PHV/EV/FCV系1兆4,665億円1兆9,154億円130.6%7兆8,326億円5.3倍
走行安全系4兆3,292億円4兆7,766億円110.3%7兆4,898億円173.0%
ボディ系2兆7,835億円2兆9,296億円105.2%4兆1,349億円148.6%
情報通信系3兆6,708億円3兆8,518億円104.9%5兆8,508億円159.4%
富士キメラ総研推定

2025年の市場は2016年比79.6%増の35兆404億円が予測される。年平均成長率(2016-2025)が10%を上回るのは、アイドリングストップ/回生システム、HV/PHVシステム、EV/FCVシステム、ADAS/自動運転システム、ドライバーモニタリングシステム、ヘッドアップディスプレイ、車外通信システムなどであり、特にHV/PHV/EV/FCV系システムが大幅に伸びることから、環境や安全に関わるシステムの構成比は72%に上昇するとみられる。

■システム構成部品の変化に関する見解
 
 今後の見通し
パワートレイン系・当該システムは燃費向上と排ガス規制の強化を背景にさまざまな対策が実施されていく。燃費向上の観点からエンジンの熱効率を向上させる開発が行われ、電子制御システムや電動システムの搭載が進み、小型モーターやセンサーの採用が増えていくとみられる。
・一方、燃費向上の観点からはアイドリングストップ/回生システムが有効と考えられ、専用の補助電源の搭載やモータージェネレーターの搭載が進んでいく。
・エンジンマネジメントシステムは当面の間主流のパワートレインとして搭載されるため、環境対策デバイスは重要なデバイスとして開発が進められていく。
HV/PHV/EV/FCV系・当該システムは、排ガス規制対策の手段となるモーターを軸とした駆動システムである。そのため、エンジンマネジメントシステムにはない新規のデバイスや機器が搭載される。
・モーター駆動で走行できる航続距離が長いほどメリットが大きいため、二次電池の大容量化やインバーターの高効率化などの対策が行われている。特に二次電池としてリチウムイオン二次電池の採用が増加していくとみられるため、電流異常を監視するデバイスの搭載が増加していく。
・また、高出力インバーターの搭載によってパワーデバイスの搭載が増加し、冷却装置の搭載が進むとみられる。その際温度管理が重要となり温度センサーの需要が拡大していく。
走行安全系・当該システムでは、車両の状態を把握する加速度センサー、角速度センサーなどの慣性センサーおよび車の周辺を検知する周辺監視センサーが重要なセンサーとして搭載される。
・現在、SAE自動運転レベル1に該当する緊急ブレーキシステムの搭載が急速に進んでいる。これは障害物を検知するセンサーに車載カメラなどの低価格な製品を使うことにより、簡易構造でしかも精度が高いシステムの構築が可能となったからである。さらには操舵系の制御が追加されたレベル2のシステムが普及していくとみられる。
・一方で、自動運転レベル3以上の市場投入に向けて自動操舵や自動ブレーキ制御の開発が進められている。これらを実現するには車周辺を確実に検知する必要があることから多種多様なセンサーを使用することが必須となっていく。
ボディ系・当該システムでは、従来の手動操作からスイッチによる電動制御化に置き換わっていく。そのため小型モーターによる制御数が増加していく。スイッチによる電動化から今後は自動制御が進んでくると推定されるため、小型モーターに加えてセンサーの需要も拡大していく。
・電動化によって緻密な制御が可能となるため、システムのインテリジェント化が進んでいくと考えられる。インテリジェント化が進むことによって、ボディECUでの制御に負担がかかるため独立のECUで制御するようになり、搭載場所確保の観点から独立ECUと小型モーターの一体化が進む。
情報通信系・近年ドライバーが運転する際の情報量が増加してきており、それらをドライバーに的確に知らせる必要が生じている。その手段としてTFTディスプレイを利用した情報表示が増加している。
・情報を表示するだけでなく、運転中に支障をきたさないような情報提供や運転シーンに合わせた最適な表示をする工夫が必要となり、情報を引き出すための操作系デバイスやさまざまなディスプレイの搭載が進んでいくとみられる。
・車内だけの情報だけでなく外部の情報をドライバーに知らせる必要性も高まり、V2I/V2Vシステムの搭載が進み通信モジュールの需要も拡大していく。
富士キメラ総研推定

■調査対象品目(20品目)
 
パワートレイン系エンジンマネジメントシステム、アイドリングストップ/回生システム、変速制御システム
HV/PHV/EV/FCV系HV/PHVシステム、EV/FCVシステム
走行安全系ブレーキ制御システム、ステアリング制御システム、ADAS・自動運転システム、エアバッグシステム、タイヤ空気圧警報システム、ドライバーモニタリングシステム
ボディ系ボディ統合制御システム、エアコンシステム、ヘッドランプシステム、電子キーシステム
情報通信系車載メーターシステム、IVIシステム、HUD、車内外通信システム(路車/車車間通信・eCall)、車内ネットワークシステム

参考文献:車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2018
上巻:システム/デバイス編

技術革新が進む自動車業界特集


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