自動車用電装システムの世界市場 市場動向2

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今回は、各構成システムの中で注目される製品を個別に解説する。

■ADAS(安全支援システム)/自動運転システムの世界市場
ADAS(Advanced Driving Assistant System)は、カメラやレーダーからのセンシング情報をドライバーに警告、または自動で制御を行う安全支援システムである。AEB(衝突被害軽減ブレーキ)やACC(定速走行・車間距離制御装置)などの各機能の総称である。

自動運転システムは、センシングデバイスを用いて周辺環境の検知・認識を行い、自動制御を可能とする技術で、ADASの延長線上に位置する。自動化レベルをベースに、“運転支援なし(レベル0)”“安全運転支援(同1)”“部分的な自動化(同2)”をADAS、“条件付き自動化(同3)”“高度な自動化(同4)”“完全自動化(同5)”を自動運転システムとした。

1.ADASの市場予測(世界市場)
 2016年2017年見込2016年比長期予測
2025年
2016年比
システム数1,470万S1,967万S133.8%5,113万S3.5倍
金額8,374億円1兆1,075億円132.3%2兆3,426億円2.8倍
富士キメラ総研推定
※システムは主体となるセンサーと情報処理を行うECUで構成されるユニットとする。車両一台につき1システムとする。

ADASは、自動車メーカーが大衆車での搭載を進めており、軽自動車などでも安全運転支援が可能となるレベル1のシステムの採用が増えている。また、2017年より部分的な自動化を可能とするレベル2のシステムを搭載する車両が続々と登場しており、オプションながらユーザーの選択率も高い。市場は2017年に1兆円の大台を突破すると見込まれ、今後も低価格化や機能の向上、ユーザーの認知度アップにより安定して拡大し、2025年には2016年比2.8倍の2兆3,426億円が予測される。

2.自動運転システムの市場予測(世界市場)
 2016年2017年見込2016年比長期予測
2025年
2016年比
システム数1万台 156万台156倍
金額50億円 6,157億円123.1倍
富士キメラ総研推定

2017年におけるレベル3以上の自動運転システムのワールドワイド販売台数は1万システムとなる見込みである。現時点で、量産車両に搭載されたレベル3以上のシステムは、Audiの「A8」に搭載された「AI Traffic Jam Pilot」のみである。また現状では欧州において自動運転車の走行を前提とした法的整備が未完了なため、実際にステアリングやブレーキ、アクセルから手足を離して走行することはできない。

法的な問題については、今後世界各国での整備が行われると見込まれるが、地域によっては整備に遅れが生じる可能性がある。加えて、Audiの「A8」は、レーザースキャナーが1個使用されるシステムとなっているが、今後より高い精度や安全性を確保したシステムを実現する上では、レーザースキャナーを4~5個使用する事例が登場すると予測される。その場合、レーザースキャナーの価格が1個10万円以上と高価であることから、システムの価格についてもより高価になることが予測される。

当面は、各自動車メーカーが自社技術の象徴的な存在として、レベル3以上の技術をフラッグシップ車両にオプション搭載する事例によって市場が構築されるものと予測される。法的な整備と低価格化により、徐々に搭載車両が増えることが期待されるが、それでも多くのユーザーが搭載車両を選択することができる環境になるのは、2025年以降と予測される。

■ドライバーモニタリングシステムの世界市場
当該製品は、車載カメラやセンサー類を使用してドライバーの状態を検知するシステムである。操舵角センサーからドライバーのふらつき状態を検知し、居眠りだと判断し警告ランプを表示させる居眠り検知システムの市場が欧米地域で立ち上がっている。赤外線カメラを使用してドライバーの動きや表情、目の動きなどを検知し、居眠りや疲労度を検出するシステムの開発も進んでいる。本項では純正装着とメーカーオプション装着を対象とし、後付けタイプの製品は対象外とした。

ドライバーモニタリングシステムの市場予測(世界市場)
 2016年2017年見込2016年比長期予測
2025年
2016年比
システム数262万台297万台113.4%1,920万台7.3倍
金額166億円182億円109.6%1,014億円6.1倍
富士キメラ総研推定

現在、当該システムの採用は、ほとんどが欧州メーカーであり、操舵角センサーを用いたシステムとなっている。欧州の中でもドイツにおいて当該システムの搭載率が高い。日本では赤外線カメラを使用したシステムが採用されており、トヨタ「Lexus」、日野自動車のトラック「Profia」、大型バス「Selega」、三菱ふそうのトラック「Aero Queen」「Aero Ace」で採用されている。

カメラを採用した当該システムは自動運転と予防安全の両側面で市場が拡大していく見通しであり、自動運転ではレベル3以上の自動運転システムでは標準採用されると予測される。予防安全では後席シートベルトの義務化やEuro-NCAPにおいて2020年から居眠り運転対策、2020年から車内での子供放置対策がアセスメント対象となる見通しであり、高級車への搭載から始まり、徐々に大衆車への普及が進んでいくと推測される。

参考文献:車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2018
上巻:システム/デバイス編

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