世界のロボット市場 市場動向3 業務・サービスロボット市場

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少子高齢化や労働力不足など世界的に深刻となりつつある社会問題を背景として、業務・サービスロボットに対する期待感が高まっている。市場参入も活発化しており、ベンチャー企業から大手電機メーカー、IT・ソフトウエアベンダ、Googleのようなインターネット関連サービス会社、コンサルティング会社、保守・メンテナンス会社など多様な業種からプレーヤーが参入しており、新たなロボットのカテゴリを生み出している。業務・サービスロボットでは医療・介護用ロボット、家庭用ロボット、物流・搬送用ロボット、ドローン・無人ヘリなどで既に大きな市場が形成されている。

今回は、業務・サービスロボットの世界市場を解説する。

■業務・サービスロボットの世界市場

 2017年2025年予測2017年比
業務・サービスロボット市場1兆3,210億円5兆7,479億円4.4倍
医療・介護用1,519億円2,611億円1.7倍
家庭用4,838億円2兆1,662億円4.5倍
建設・レスキュー・インフラ点検用68億円238億円3.5倍
物流・搬送用1,288億円1兆8,278億円14.2倍
農業用1,080億円2,902億円2.7倍
オフィス・店舗用59億円993億円16.8倍
その他4,358億円1兆795億円2.5倍
富士経済推定

対象品目
医療・介護用パワーアシスト・増幅スーツ、手術支援ロボット、移乗ロボット、排泄支援ロボット、入浴支援ロボット、セラピーロボット
家庭用家庭用清掃ロボット、家庭用コミュニケーションロボット、パーソナルモビリティ、衣類折りたたみロボット、スマートスピーカー
建設・レスキュー・インフラ点検用自動建設ロボット(建設現場)、自動運転建機(遠隔操作・自律運転)、レスキューロボット、インフラ点検ロボット
物流・搬送用自動運転トラック、AGV(自動搬送台車)、デリバリーロボット
農業用自動収穫ロボット、自動運転農機
オフィス・店舗用受付案内ロボット、自律型受付案内ロボット、業務用清掃ロボット、業務用セキュリティロボット、レジロボット
その他ドローン・無人ヘリ、教育ロボット、業務用コミュニケーションロボット、ごみ分別ロボット

医療・介護用は、現状、単価の高い手術支援ロボットの構成比が大きい。手術支援ロボットは患者の肉体的な負担が少ないことに加え、精密な手術が可能で普及が進んでいる。また、パワーアシスト・増幅スーツや移乗ロボット、排泄支援ロボットは、介護報酬など国の助成に影響され、2020年頃から伸びが期待される。セラピーロボットは、国内では、認知症患者など高齢者の利用が多いが、海外では高齢者や自閉症児などの治療にも利用されている。

家庭用は、現在、家庭用掃除ロボットとスマートスピーカー、パーソナルモビリティの普及が進んでいる。家庭用掃除ロボットは、市場の立ち上がりが早く、家庭でも気軽に購入できるため普及が進んでいる。スマートスピーカーは、対応する家電製品が増加するため、今後大きく伸びるとみられる。パーソナルモビリティは、警察や警備会社のパトロールや、観光客の観光地での移動などに利用されており、今後は近所への買い物や通勤・通学などで需要が増えるとみられる。

建設・レスキュー・インフラ点検用は、現在、自動運転建機(遠隔操作・自律運転)が市場の70%以上を占めている。特に鉱山の鉄鉱石や土砂運搬で無人ダンプトラックの需要が増えている。2018年以降、自動建設ロボット(建設現場)の市場が建設現場の人手不足や高齢化に伴う後継者不足などの対策として立ち上がるとみられる。

物流・搬送用は、現状AGV(自動搬送台車)が市場の大半である。eコマースの拡大や、新興国の急速な工業化の進展による、物流量の増大や人手不足解消を目的に需要拡大は続くとみられる。また、自動運転トラックは需要の裾野が広いこともあり、公道での使用許可など環境が整い始める2022年頃から急速な拡大が予想される。デリバリーロボットは、薬剤や医療器具などの搬送に利用されており、大規模病院を中心に採用が進んでいる。近年はホテルでも使用されている。

農業用は、自動運転農機が大部分を占めている。広大な農地があり、農作業の自動化、省人化、高効率化へのニーズが高い北米が市場をけん引している。2020年以降に完全無人の自動運転トラクタの実用化が進むとみられる。

オフィス・店舗用ロボットは、現状ではレジロボットが中心である。今後、自律型受付案内ロボットや業務用清掃ロボットなどの伸びが期待される。その他は、ドローン・無人ヘリが市場の大部分を占める。空撮用途だけでなく、検査や農業分野での需要増加が予想される。ごみ分別ロボットは人手不足解消への有効な手段として需要増加が期待される。

参考文献:2018 ワールドワイドロボット関連市場の現状と将来展望 No.2
業務・サービスロボット市場編

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