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自動車産業は、各国の環境規制により次世代自動車の普及が拡大している。このような状況の中で今回は、次世代自動車のHV/PHV/EVの現状と今後の市場展望を解説する。
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■次世代自動車の世界市場予測
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単位:万台
| 2017年実績 | 2025年予測 | 2035年予測 |
自動車総市場 | 9,680.0 | ※ 100% | 11,316.0 | ※ 1170% | 12,874.0 | ※ 133% |
次世代自動車 合計 | 324.6 | 3.4% | 1,205.3 | 10.7% | 3,219.0 | 25.0% |
HV | 208.2 | 100% | 288.9 | 138.8% | 420.0 | 2.0倍 |
PHEV | 40.1 | 100% | 302.1 | 7.5倍 | 1,242.8 | 31.0倍 |
EV | 76.0 | 100% | 359.6 | 4.7倍 | 1,125.1 | 14.8倍 |
FCV | 0.3 | 100% | 3.9 | 13.0倍 | 56.8 | 189.3倍 |
48V M-HV | 0 | 100% | 250.8 | ― | 374.3 | ― |
富士キメラ総研推定 |
上記は乗用車を対象とする。(超小型車は含まない。) ※2017年に対する伸長率、次世代自動車合計は自動車総市場に対する割合 |
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2017年のHV、PHV、EV市場は324万台(前年比124.6%)となった。自動車総市場に占める割合は3.4%である。現状は、HVが市場をけん引しているが、今後はEVシフトが進むとみられ、HVは緩やかに伸長すると予想される。PHVとEVは2025年以降伸びが加速し、拮抗しながら市場をけん引し、2035年にはPHVが1,243万台、EVは1,125万台が予測される。自動車総市場に占める割合は25%に達するとみられる。
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■次世代自動車エリア別の世界市場予測
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1)日本

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日本市場は、当面HVが主流になるとみられ、2035年にHVは131万台が予測される。PHV、EVは、自動車メーカーの商品構成の主軸がHVから切り替わるタイミングで何らかの購入補助が開始されると予想される。欧州や中国のような過度な補助金政策でなくとも、集合住宅での充電スタイルの確立など、消費行動を刺激することで需要は増加するとみられる。また、PHVはシティコミューターとして普及していくとみられる。日本の自動車市場が縮小するなか、これら電動自動車の需要は増加しており、2030年以降はPHV、EVの販売比率が高まると予想される。
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2)北米

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北米市場は、ZEV(Zero Emission Vehicle)規制により自動車メーカー各社がPHV、EVの販売に注力するため伸長するとみられる。ただし、ガソリン安から内燃車への需要は継続するとみられ、2035年にはPHVとEVの販売比率は北米の自動車市場の17.6%にとどまると予想される。
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3)欧州

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欧州市場は、環境規制と補助金によってPHV、EVが伸長し、特に、財政が豊かな先進国の需要が増加すると予想される。とはいえ、補助金政策の後押しがないことには需要が創出できない状況は当面続くため、南欧や東欧諸国は厳しい状況にある。よって2035年のPHVとEVの販売比率は27.4%となるが、南欧や東欧諸国においては内燃車需要が中心とみられる。
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4)中国
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中国は、電動自動車産業を育成し、自動車メーカーの商品競争力を高めている。当面は外資系自動車メーカーの合弁規制を緩和してEVシフトを展開する構えである。しかし、自動車メーカーの育成と、電力の供給や電力設備、充電設備などを整備し、内陸部まで需要を拡大させるには今後10年以上かかると予想される。
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参考文献:2018年版 HEV,EV関連市場徹底分析調査 |
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