耐熱・光学ポリマー/特殊コンパウンドの世界市場 市場動向1

マーケット情報TOP
樹脂(ポリマー)は金属やセラミックスに比べて成形加工性、軽量性などに優れ、自動車、電気電子、ライフサイエンス、土木・建築、農業など多岐にわたる産業で利用されている。

ポリマーによって特性はさまざまであるが、耐熱性のレベルが各用途における採用基準の一つとなり、要求温度領域に応じた樹脂の使い分けがみられる。自動車分野や光学分野などにおいては、金属代替、ガラス代替などを目的に耐熱化ニーズが顕在化しており、各ポリマーの一般的な使用可能温度上限よりも10℃以上の高温環境で使用可能な高耐熱グレードが開発・採用されている。

また、透明性や光学特性もポリマーを明確に特徴付ける要素として挙げられる。光学分野では、自動運転・ADASの普及による車載カメラの搭載、ヘッドアップディスプレイ、スマートフォンカメラの高解像度化、バーチャル・リアリティ(VR)関連産業の本格化などが成長キーワードとなっている。

今回は、耐熱・光学ポリマーと特殊コンパウンドの世界市場について解説する。

■次世代自動車の世界市場予測

分類2018年見込2022年見込2018年比
合計5兆8,697億円
(1,179万t)
6兆6,590億円
(1,365万t)
113.4%
耐熱性180℃以上のポリマー
(16品目)
1兆2,606億円1兆4,999億円119.0%
耐熱性180℃未満のポリマー
(19品目)
4兆6,091億円5兆1,591億円111.9%

2018年の耐熱、透明・光学ポリマー35品目の市場は5兆8,697億円、1,179万トンが見込まれる。建材、雑貨・日用品、家電などの汎用用途向けは新興国の人口増加と経済成長にともない堅調である。また、自動車生産台数の増加も市場拡大に寄与している。

ポリマーは成形後の形状自由度が高く、軽量性、量産性に優れることから、自動車、光学用途などでガラスや金属の代替で採用が増加しており、2022年には6兆6,590億円、1,365万トンが予測される。

ポリマーは一般的に、軽量性、成形後の形状自由度の高さ、量産性に優れることから、自動車用途、光学用途などでガラスや金属を代替し採用が増加傾向にある。中でも、フレキシブルディスプレイ市場の立ち上がりにより、最表面のカバーやTFT形成基板向けの採用増加が見込まれ、透明PIの高成長が予測される。

※調査対象
耐熱性180℃以上のポリマー
(16品目)
PAR(ポリアリレート)、PMP(ポリメチルペンテン)、耐熱PA、PEI(ポリエーテルイミド)、サルフォン系樹脂(PES・PSU・PPSU)、PPS(コンパウンド)、PPS(繊維・フィルム用)、LCP、PEEK、PI(フィルム・ワニス)、熱可塑性PI、透明PI、フッ素樹脂、エポキシ、脂環式エポキシ、UV硬化性樹脂
耐熱性180℃未満のポリマー
(19品目)
耐熱ABS、透明ABS、AS、SBC(スチレン・ブタジエンコポリマー)、MS(メチルメタクリレート・スチレン)、PMMA、PC(ポリカーボネート)、特殊PC、フルオレン系ポリエステル、COP・COC(環状ポリオレフィン)、共重合PET、PEN、超高分子量PE、PA6/66、透明PA、変性PPE、SPS(シンジオタクチックポリスチレン)、非晶性フッ素樹脂、メガネレンズ用熱硬化性樹脂

■耐熱性180℃以上のポリマーの世界市場

 2018年見込2022年見込2018年比
耐熱性180℃以上のポリマー
(16品目)
1兆2,606億円1兆4,999億円119.0%

180℃以上の高耐熱性を特長とするポリマー(16品目)の市場規模は、2018年に1兆2,606億円が見込まれ、2018年から2022年にかけて4.4%の年平均成長率(CAGR)が予測される。

耐熱性が要求される用途としては、自動車向けの電装部品(コネクター、ECU、他)、半導体関連装置向け部品、LCD・OLEDのディスプレイ用基板などが挙げられる。

対象ポリマーの中でも特に市場規模の大きいフッ素樹脂は、半導体・液晶製造関連装置や自動車電装部品をはじめとして、さまざまな用途で採用がある。半導体製造装置用途およびLiB向けの需要拡大が市場をけん引しているとみられる。なお、フッ素樹脂の中でもPVDFなど一部の種類は耐熱性が低いが、メインのPTFEが260℃の耐熱性を有することから180℃以上の高耐熱性を持つポリマーに分類した。

■耐熱性180℃未満のポリマーの世界市場

 2018年見込2022年見込2018年比
耐熱性180℃未満のポリマー
(19品目)
4兆6,091億円5兆1,591億円111.9%

180℃未満で使用されているポリマー(19品目)の市場規模は、2018年4兆6,091億円見込まれ、2018年から2022年にかけて2.9%の年平均成長率(CAGR)が予測される。なお、PCや非晶性フッ素樹脂など高耐熱グレードが180℃以上の耐熱性を有するものもあるが、主要グレードの使用可能温度を基準に分類した。

対象ポリマーの中では、PCとPA6・66の市場が圧倒的に大きく、ともに1兆円を超える需要がある。120℃以上の耐熱性を有し、比較的低コストであることからさまざまな用途で汎用的に採用されているとみられる。

100℃近辺では、食品容器・食器関連の用途で高温充填、食洗機対応、電子レンジ対応などのニーズから一定の耐熱要求がある。透明、耐熱性(110℃~120℃)、安全性(低溶出性)などが採用のポイントとみられる。耐熱性が要求されない雑貨、日用品などの用途ではコストが重視される傾向にあり、AS、MSなどが採用されている。

参考文献:2018年 耐熱・光学ポリマー/特殊コンパウンドの現状と将来展望

技術革新が進む自動車業界特集


戻る
エンプラ関連情報サイト エンプラネット トップページ