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今回はTV、スマートフォンの世界市場を解説する。
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■TVの世界市場
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| 2017年実績 | 2018年見込 | 2023年予測 | 2017年比 |
合計 | 2億2,259万台 | 2億2,165万台 | 2億2,973万台 | 103.2% |
LCD-TV | 2億2,100万台 | 2億1,900万台 | 2億1,610万台 | 97.8% |
OLED-TV | 159万台 | 265万台 | 1,363万台 | 8.6倍 |
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LCD-TVはパネル供給とセット出荷の需給バランスがセット生産増減に影響を与える傾向が強い。パネル供給の状況でセットメーカーの生産量が左右されている。今後は、ハイエンドクラス対応のOLED-TVの拡大によりLCD-TVは微減傾向が続いていくと予測される。
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OLED-TVは参入メーカーの増加により消費者への認知度が徐々に高まっている。新規パネル生産ラインが本格稼働する2020年以降パネル単価も低下し、年間1,000万台以上のボリュームまで拡大すると予測した。ただし、現状ではパネル量産メーカーがLG Display1社のみであり、継続的な市場拡大には後続の量産パネルメーカー参入が不可欠である。
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●解像度別TV向けパネル出荷ウェイト(数量べース)

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解像度別では、4Kパネルの大幅な出荷拡大が続いている。2017年は年初の計画を上回るペースで4Kパネル出荷が拡大し、出荷ウェイトでは35.7%に達した。2020年には50in以上のパネルで全量がUHDに切り替わるほか、40inクラスでもUHD比率が拡大するとみられる。8Kパネルは60in以上のパネルサイズがターゲットとなるため、大幅に出荷ウェイトが上昇する可能性は低い。2023年には60in以上のパネル出荷の約16%が8Kパネルになると予測される。
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■スマートフォンの世界市場
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| 2017年実績 | 2018年見込 | 2023年予測 | 2017年比 |
スマートフォン用 ディスプレイ | 15億8,710万枚 | 15億6,500万枚 | 16億9,600万枚 | 106.9% |
TFT | 11億4,210万枚 | 10億7,350万枚 | 7億7,600万枚 | 66.2% |
AMOLED | 4億4,500万枚 | 4億9,150万枚 | 9億2,000万枚 | 2.1倍 |
セットの出荷量 | 14億1,200万台 | 14億台 | 15億500万台 | 106.6% |
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スマートフォン用ディスプリは、2017年の「iPhone X」でフレキシブルAMOLEDが採用されたが、端末が高価格である点が消費者に訴求せず、2018年に入って他のスマートフォンメーカーでもAMOLEDの採用を見直す動きが出ている。2018年中はAMOLEDの採用率はさほど拡大しないものとみられる。2019年以降、中国メーカーの量産による価格下落が、AMOLED普及のポイントになると予測される。
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スマートフォン市場は低成長時代に入った。2017年は成長を続けてきた中国市場が縮小している。2018年以降も2~3年に1度の買い替え需要が中心になるとみられる。今後はインド、東南アジア、中南米、アフリカなどでの需要拡大が期待されるが、市場全体に与える影響は軽微であると推察される。2020年には従来の買い替え需要に加え、5G対応製品の投入による需要拡大が見込まれる。日本、韓国、中国、米国を中心に2020年に5G通信サービスが商用化される見通しである。
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●解像度別スマートフォン向けディスプレイ出荷ウェイト(数量べース)

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解像度別では、FHD+がミドルレンジまで拡大しており、2018年にFHD+以上のディスプレイが市場の半数を超える見込みである。2023年にはFHD+以上が70%を超えると予測される。WQHD/WQHD+は消費者のニーズが高まっておらず、今後もさほど拡大しないものと予測される。
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参考文献:2018 ディスプレイ関連市場の現状と将来展望(上巻) |
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