自動運転・AIカーの市場予測 市場動向1

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2017年にAudiとGMからレベル3相当の自動運転車が発売された。日系自動車メーカーは2020年に高速道路や自動車専用道路におけるレベル3の車両の実用化を目指している。自動運転の発展により自動車メーカーだけでなく、ITS機器メーカーやセンシング機器メーカー、半導体メーカー、データセンター事業者に多大なビジネスチャンスが与えられることから、多くの企業が注力している。また、自動運転車の普及は、法規制やインフラ整備、社会の受容性の醸成といった側面の発達が必要である。

今回は自動運転・AIカーの世界市場予測(乗用車、トラック、バスの販売台数)を解説する。
※自動運転自動車のレベルは、SAE International-J3016の定義に基ずく。

■自動運転・AIカーの世界市場予測(自動運転レベル3以上の車両)


●世界自動車販売台数に占めるレベル3以上の比率
 2017年実績2030年予測2017年比2035年予測2017年比
 441万台
(8,198万台)
4,483万台10.2倍6,341万台14.4倍
中国83万台
(2,496万台)
1,529万台18.4倍2,045万台24.6倍
欧州91万台
(1,326万台)
1,368万台15.0倍1,545万台17.0倍
米州68万台
(1,942万台)
951万台14.0倍1,804万台26.5倍
日本173万台
(439万台)
271万台156.6%271万台156.6%
インド6万台
(323万台)
40万台6.7倍116万台19.3倍
その他20万台
(604万台)
324万台16.2倍560万台28.0倍
※2017年実績の(  ):新車販売台数富士経済推定

レベル3はシステムが運転の主体となる自動運転であり、2018年現在ではGMの「Cadillac CT6」とAudiの「A8」のみとなっている。一定条件下ではあるものの、システムが運転の主体となるため手放し運転も可能となる。2020年には高速道路や自動車専用道路におけるレベル3車両の販売が活発化される。2020年のレベル3車両販売台数は、287万台、2040年には4,067万台と世界自動車販売台数の30.4%を占めると予測される。しかし、レベル3車両とレベル4車両は法規制やインフラとも密接に関わるため、自動運転技術の確立時期と市場の形成時期に大きなずれが生じていく可能性が高い。

■自動運転・AIカーの地域別販売ウェイト(自動運転レベル3以上の車両)



日本・日本は日系自動車メーカーが高いシェアを有している市場である。
・日本の自動運転車両導入時期はトヨタ、日産が東京オリンピック・パラリンピック開催年の2020年に合わせて自動運転レベル3の車両の実用化を目指している。
・自動運転レベル4以上の車両はインフラの整備や法規制整備などの課題があることから、本格的な導入時期としては2030年代となるが非常に小規模である。
・自動運転市場は、官民一体となってインフラや法規制の課題や、自動運転車両を使ったビジネス市場の形成などに早期に取り組む必要がある。
EU
(欧州連合28カ国)
・EUではVW/Audi、Daimler等の欧州自動車メーカーが多く、ディーゼル車両が多い市場である。市場特性としては他の地域に比べ環境保護への要求が高い。しかし、環境にやさしいとされていたディーゼル車が、2015年にVWの排ガス不正を受けて、EU内でのディーゼル車禁止の地域が拡大しており、欧州自動車メーカーはEVなどへの急転換を図っている。
・自動運転車や、EVなどの次世代自動車はMaaSとの親和性が良いことから、欧州自動車メーカーは自動運転車、EV、MaaS車両を同時に普及させ、ディーゼル車ビジネスに置き換わる新たな自動車戦略が要求されている。
NAFTA
(米国・カナダ・メキシコ)
・NAFTAではGM、Fordや日本自動車メーカーの市場占有率が高い市場である。自動車は移動手段が主体であり、自動車への乗車時間が多いため、自動運転車のニーズは高く、EUに次いで早期に市場が形成されるとみられる。
・市場の要求特性は一般ユーザーまでの早期自動運転車の普及である。同市場ではFordやGMが2020年ごろを予定しているものの、MaaSと連動した市場投入となっている。
中国・中国の自動車市場ではシェアの半分が欧米など外資系企業との合弁自動車メーカーで形成され、残り半分は中国ローカル自動車メーカーで形成されている。
・また、中国では次世代技術に対して官民共に積極的に取り組んでおり、EVは、政策により補助金政策が行われており、AIについてもBaiduなどのITメーカーが積極的に取り組んでいる。自動運転車の投入は欧米に次いで早くなるとみられる。

参考文献:2019 自動運転・AIカー市場の将来展望

技術革新が進む自動車業界特集


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