炭素繊維複合材料の世界市場 市場動向2

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今回は、注目キーマテリアルと関連部品・装置の世界市場を解説する。

■PAN系炭素繊維の世界市場規模予測

 2017年実績2030年予測2030/2017
合計1,860億円4,916億円2.6倍
CFRP用途1,772億円4,337億円2.4倍
CFRTP用途88億円579億円6.6倍
富士経済推定

市場は、現状CFRP向けが中心となっており、CFRTP向けは5%程度にとどまっている。今後、CFRP向けは安定して伸びていくとみられる。CFRTP向けは、2025年以降自動車用途で需要が増加するとみられ、2030年には、市場の12%程度を占めるまでに拡大すると予想される。

■マトリクス樹脂の世界市場規模予測

 2017年実績2030年予測2030/2017
合計547億円1,582億円2.9倍
CFRP用途369億円1,115億円3.0倍
CFRTP用途178億円467億円2.6倍
富士経済推定

マトリクス樹脂は、熱硬化性樹脂と熱可塑性樹脂に大別され、現在はエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂の採用比率が高い。熱可塑性樹脂は、粘度が高く炭素繊維との含浸に時間を要するが、短時間成形が可能な樹脂として今後は自動車用途において採用拡大が予測されている。

CFRP向けはエポキシ樹脂が標準採用されているが、CFRTP 向けでは汎用樹脂に加え耐熱エンプラとしてPEEKやPPSなどの高価な樹脂も採用されているため、CFRTP の金額ベースの市場比率は数量ベースの比率を上回っている。CFRTP向けは現状の短繊維コンパウンド成形品中心から今後は連続繊維成形品市場の拡大が予測されるため、炭素繊維含有率が高まり、マトリクス樹脂の配合比率は低下すると想定される。

■中間基材(プリプレグ・ペレット/シート・ラミネート)の世界市場規模予測

 2017年実績2030年予測2030/2017
合計3,825億円1兆142億円2.7倍
CFRP用途3,431億円7,830億円2.3倍
CFRTP用途
(短/長繊維)
342億円717億円2.1倍
CFRTP用途
(連続繊維)
52億円1,595億円30.7倍
富士経済推定

中間基材は、炭素繊維に熱硬化性樹脂を含浸させたプリプレグと熱可塑性樹脂を含浸させたペレット/ラミネートに大別される。プリプレグは、連続繊維を使用した加工品が中心である。ラミネートは連続繊維加工品、ペレットは非連続繊維の加工品である。ペレットは、連続繊維を一定の長さで切断し炭素繊維に樹脂を被覆させた長繊維ペレットと、樹脂に短繊維をコンパウンドさせた短繊維ペレットがある。

現状は、CFRP向けのプリプレグ需要が中心である。2017年の市場において90%程度を占めている。今後もCFRP向けが中心ではあるものの、今後はCFRTP市場が拡大していく見通しである。特に、2025年前後からは自動車用ラミネート向けでの需要拡大が想定される。

■加工装置・ツールの世界市場規模予測

 2017年実績2030年予測2030/2017
合計678億円1,732億円2.6倍
自動積層装置102億円378億円3.7倍
CFRP/CFRTP用
成型加工装置
214億円660億円3.1倍
ウォータージェット69億円200億円2.9倍
ドリルエンドミル293億円494億円168.6%
富士経済推定

市場は、大型案件の有無によって変動する。現状、それぞれの装置でCFRP用途の割合が大きい。成形加工装置では、航空機や自動車用途で多く採用されるオートクレーブ、HP-RTM装置等の大型装置の採用が多い。2030年に向けて、CFRP用成形加工装置では航空機や自動車、CFRTP用成形加工装置では自動車向けの設備投資がけん引役となると予想される。

参考文献:炭素繊維複合材料(CFRP/CFRTP)関連技術・用途市場の展望 2019

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