自動車用電装システムの世界市場 市場動向2

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今回は、各構成システムの中で注目される製品を個別に解説する。

■ADAS(安全支援システム)
ADAS(Advanced Driving Assistant System)は、カメラやレーダーからのセンシング情報をドライバーに警告、または自動で制御を行う安全支援システムである。AEB(衝突被害軽減ブレーキ)やACC(定速走行・車間距離制御装置)などの各機能の総称である。市場はADASの主体となるセンサーと情報処理を行うECUで構成されるユニットを対象とした。自動化レベルの定義では、レベル1(安全運転支援)、レベル2(部分的な自動化)にあたる。
※システム数はその年の生産車向け販売数で、一車両1システムで示した。

ADASの市場予測(世界市場)
 2017年長期予測
2030年予測
2017年比
システム数3,296万システム8,394万システム2.5倍
金額4,779億円1兆1,513億円2.4倍
富士キメラ総研推定



ADAS搭載の義務化の流れが各国・地域で進み、今後堅調な市場拡大が予想される。2020年代前半は日本や北米、EUを中心に衝突安全防止機能の採用が進むとみられ、2025年までに搭載率は生産車ベースで80%以上になると予想される。現状、中国市場は欧州や北米に比べると小規模であるが、2021年頃から急激な需要増加が予想され、2030年までには最大規模の市場になるとみられる。また、センシングデバイスの低価格化が進行しているため、新興国・地域でも簡易的なADASの採用が進むと期待される。

■自動運転システム
自動運転システムは、センシングデバイスを用いて周辺環境の検知・認識を行い、自動制御を可能とする技術で、ADASの延長線上に位置する。自動化レベルの定義では、レベル3(条件付き自動化)、レベル4(高度な自動化)、レベル5(完全自動化)を実現するシステムである。

自動運転システムの市場予測(世界市場)
 2017年長期予測
2030年予測
2017年比
システム数1万システム713万システム713倍
金額49億円2兆2,108億円451倍
富士キメラ総研推定



2017年における同システム市場はGMとVWグループのみ車両投入しており、システムの需要はEUが大半を占める。今後2020年にトヨタ、日産、Daimler、Teslaなどがレベル3の車両の市場投入を計画している。

現在はシステムを構成する主要デバイスであるレーザースキャナー(LIDAR)が高価格なこともあり、自動運転システムの搭載は一部のハイエンド車にとどまっている。しかし、2021年頃からMEMS式などの安価なLIDARの採用が始まることで自動運転システムの低価格化が期待され、市場拡大を後押しするとみられる。なお、自動化レベル別では、2020年代はレベル3のシステムが中心となり、レベル4、5のシステムは2030年以降の普及が予想される。

参考文献:車載電装デバイス&コンポーネンツ総調査 2019(上巻:システム/デバイス編)

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