自動車向け二次電池の世界市場 市場動向1

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■自動車向け二次電池の世界市場

 2018年実績2030年予測2018年比
合計3兆9,174億円14兆9,610億円3.8倍
駆動用電池2兆1,750億円12兆7,630億円5.9倍
補機用電池1兆7,424億円2兆1,980億円126.1%
富士経済推定

駆動用はリチウムイオン二次電池(以下、LiB)が中心である。市場は中国需要をはじめとするEV向けが続伸し、2018年に2017年比26.7%増の2兆1,750億円となり、駆動用LiB市場の構成比においても最大となった。次いで1台当たりの二次電池搭載容量が大きいEVトラック・バス向けとなっている。今後も市場はEV向けがけん引し、2030年には2018年比5.9倍の12兆7,631億円が予測される。EV向けの市場構成比は2018年の53.5%から67.3%まで高まるとみられる。

補機用は鉛電池(以下、Pb)が大部分を占める。市場は2018年に2017年比4.5%増の1兆7,424億円となった。内燃車/アイドリングストップ車(ISSV)向けが市場の96.6%を占める。今後市場はICEV/ISSV向けが2020年代前半にピークアウトするが、環境自動車向けが欧州生産車や中国生産車の需要を中心に伸長し、市場は2030年に2018年比26.1%増の2兆1,980億円が予測される。

■EV向け駆動用電池(LiB)の世界市場

 2018年実績2030年予測2018年比
EV向け駆動用電池1兆1,632億円8兆5,844億円7.4倍
※マイクロEVは含まない。富士経済推定

2018年は中国をはじめ、日本や欧米においてEVの生産・販売台数が増加した。特に、中国では深刻化する大気汚染対策として、導入補助や税制優遇措置など、EVの普及政策が講じられたことから大幅に増加した。

EVではLiBが採用されている。自動車メーカーでは走行距離延伸のために電池容量を増加させたモデルの投入計画が活発化している。EVの普及に伴い、従来のガソリン・ディーゼル車との価格競争が激化しており、LiBに対する価格低下要求も強くなっている。これを受けLiBメーカー各社は量産ラインの増強を進めており、価格は下落している。また、電池劣化のフィールドデータの蓄積によって電池寿命の課題改善や、車体パッケージングのノウハウの蓄積によって電池を含めた部品の小型・軽量化が進められている。2030年にかけてはポストLiBの採用も検討されている。

EV向け二次電池の市場は2018年に1兆1,632億円、2030年には2018年比7.4倍の8兆5,844億円が予測される。2018年の最大需要地は中国であり、大容量電池を搭載したEV生産比率が高い北米がそれに続く。なお、欧州は燃費規制の厳格化が計画されており、今後EV生産の増加が予想されることから、2030年には最大の需要地になるとみられる。

■マイクロEV向け駆動用電池の世界市場

 2018年実績2030年予測2018年比
マイクロEV向け駆動用電池1,580億円3,711億円2.3倍
Pd1,231億円1,261億円102.4%
LiB349億円2,450億円7.0倍
マイクロEV生産量131万台209万台195.5%
富士経済推定

マイクロEVは、モータ出力30kW以下、最高時速80km/h以下で走行する車種を対象とする。

マイクロEVの市場は、中国山東省を中心としたローカルメーカーによって牽引されている。中国メーカーでは、従来の鉛電池に加えて、LiB を搭載したマイクロEVの生産、販売も拡大傾向にある。中国政府としても、国家規格等の枠組みにおいてマイクロEVを認可する施策を2021年までに整備する方針である。

鉛電池は、中国市場が大半を占めている。中国では、中央・地方政府による未認可マイクロEVの販売規制が強化されており、鉛電池需要は減少傾向にある。中国政府は、2021年にマイクロEVへの政府認可を解禁する予定だが、鉛電池の搭載を廃止する可能性が高い。今後も、交通規制の緩い地方部において、低コストである鉛電池搭載車への需要は底堅いと想定される。

近年は、LiBの低価格化や低品質車の販売規制により中国市場が拡大しており、搭載比率が上昇している。中国では、2021年にLiB搭載が義務付けられる見通しである。政府認可のマイクロEVは、EVの購入時補助金終了後の低コストEVとして今後需要が見込まれる。

参考文献:エネルギー・大型二次電池・材料の将来展望 2019 次世代環境自動車分野編

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