次世代電池の世界市場 市場動向1

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■次世代電池世界市場

 2018年実績2035年予測2018年比
合計24億円2兆7,040億円1,126.7倍
全個体電池24億円2兆6,772億円1,115.5倍
ポストリチウム二次電池268億円
富士経済推定

<対象品目>
全個体型リチウム二次電池・硫化物系 ・酸化物系 ・高分子系 ・錯体水素化物系
ポストリチウム二次電池・金属空気二次電池 ・ナトリウムイオン二次電池 ・カリウムイオン二次電池 ・マグネシウム二次電池 ・その他次世代電池(全樹脂電池、フッ化物イオン電池、デュアルカーボン電池)

2018年の次世代電池世界市場は、全固体電池のみが市場形成されており、ポストリチウム二次電池の市場形成はされていない。ポストリチウム二次電池は、リチウムやコバルトといったレアメタルの資源リスクの高まりから開発機運が高まっており、レアメタルフリーである ナトリウムイオン二次電池が実用化に最も近いとみられる。それ以外の電池は基礎技術開発が必要であり、市場拡大は2030年以降とみられる。

■全個体型リチウム二次電池(全個体電池)世界市場

 2018年実績2025年予測2035年予測
合計24億円436億円2兆6,772億円
硫化物系23億円2兆1,450億円
酸化物系僅少321億円4,736億円
高分子系24億円92億円558億円
錯体水素化物系僅少28億円
富士経済推定

当該市場は、現状高分子系全固体電池のみ量産が行われており、海外メーカーがxEV向けで製品展開をしている。日本メーカーが注力する硫化物系全固体電池は、xEV向けで量産化・低コスト化を目指した積極的な開発が行われており、2020年代前半にxEVへの搭載が予想される。xEV以外の用途では2021年頃からセンサー向けなどの小型の硫化物系全固体電池のサンプル出荷が進むとみられる。

酸化物系全固体電池は、バルク型、薄膜型、積層型の全固体電池と固体電解質を主材料にイオン液体やポリマーを微量添加したバルク型疑似固体電池がある。バルク型全固体電池は実用化までの技術ハードルが高く、バルク型疑似固体電池の製品化が進んでいる。バルク型全固体電池は2030年代に実用化が予想され、xEV向けで採用されるとみられる。硫化水素の発生がないことや設備投資額が少ないことなどがメリットとしてあげられるが、実用化の時期は硫化物系全固体電池に比べ遅れる見通しである。薄膜型は2013年頃から製品化が進められており、ウェアラブル機器やICカード、医療用途で一部展開されている。積層型は回路基板上に実装できることを強みに、従来一次電池や電気二重層キャパシタが用いられていたアプリケーションで代替が一部展開されている。今後は、薄膜型、積層型ともに量産化が進むとみられる。

錯体水素化物系全固体電池は開発が進められており、2020年代前半には新規電解質材料を用いた実電池化に向けた取り組みが進み、2020年代後半からは製品化が加速していくと予想される。

■次世代二次電池採用のメリット

全個体型リチウム二次電池
①固体電解質採用による安全性、体積当たりエネルギー容量の向上
 →不燃かつ固体であるため、発火や液漏れのリスクがなくなる
 →冷却構造、安全設計に必要なスペースの削減、高密度配置可能
②新規の正・負極活物質採用によるエネルギー容量の向上
 →デンドライト発生により採用が難しかった金属Li負極の可能性
 →電解液への溶出懸念で採用できない硫黄正極実現の可能性
③Liイオン輸率が1であり、出力特性が大幅に向上
 →10分以内での超急速充電実現の可能性
④幅広い温度範囲、耐久性が高い
 →積層型では約260℃のリフローはんだ実装にも耐えうる温度特性
 →電解液と異なり、凍結しないため、低温特性も良好
⑤形状自由度が向上
 →薄膜、小型、フレキシブルなどの実現
ポストリチウム二次電池
ナトリウムイオン二次電池、カリウムイオン二次電池
①レアメタルフリー
 →Liから資源が豊富なNaやKへの代替
 →正極活物質もCoやNiを使用せず、Mn、Feなどの汎用金属がベース
 →原材料価格が安価であり、コスト削減に向く
②イオン拡散性がLiよりも高く、超急速充電が可能
 →レート特性が高く20Cまで向上する可能性を持つ

金属空気二次電池、マグネシウム二次電池
①エネルギー容量の増加
 →体積当たりエネルギー容量でLiを上回る金属を負極に使用可能、
 大幅なエネルギー容量の向上が可能

参考文献:2019 電池関連市場実態総調査 <次世代電池編>

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