次世代物流システム・ビジネス市場 市場動向2
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■倉庫ロボットシステムの国内市場
2019年見込
2018年比
2025年予測
2018年比
50億円
156.3%
270億円
8.4倍
富士経済推定
●
上記は、倉庫内で可搬式の棚を搬送するために使用されるロボットを中心としたシステムを対象とする。
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倉庫作業の効率化のために従来採用されてきたマテリアルハンドリング機器はサイズの異なる搬送物を取り扱う際の自動化が課題であったが、倉庫ロボットシステムは棚そのものを移動させることにより搬送物のサイズに関わらず搬送を可能とした。投資コストが比較的低く、出荷量の増減についても倉庫ロボットや専用棚の増減で対応できるなどの利点により需要が増加しており、今後の市場拡大が期待される。
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AIを活用して、多品種の商品を即時に出荷するため搬送頻度の高い棚をピッキング作業者の近くに配置するなど、最適な運送経路の算出機能なども組み込まれており、将来的にはトラックから庫内まで搬送物を取り扱う無人フォークリフトとの連携なども期待される。
■AI再配達回避システムの国内市場
2019年見込
2018年比
2025年予測
2018年比
10億円
―
350億円
―
富士経済推定
●
AI再配達回避システムは、AIを活用して配達業務を効率化し、再配達件数の減少を図るシステムである。具体例として、AIが住人の不在情報を認識して配達経路を最適化するシステムや、スマートフォンなどの情報端末を活用して受取人に配送物の届く時間帯を連絡するシステムなどがあげられる。
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EC市場の拡大による配達物量の増加、また、慢性的な配送業界の人手不足を受け、配送員個人の経験や技量に依存しない再配達回避システムのニーズが高まっている。2019年より配送物や地図情報をもとに最適な配送ルートをドライバーに提示するシステムが展開されており、2020年には在宅情報をもとに最適な配送ルートをドライバーに提示するシステムが市場投入されるとみられる。今後は各家庭に設置されたスマートメーターの情報をAIが解析する方式が主流となるとみられ、スマートメーターの普及に伴い大幅な市場拡大が期待される。
■宅配ボックスの国内市場
2019年見込
2018年比
2025年予測
2018年比
合計
148億円
112.1%
245億円
185.6%
戸建住宅向け
47億円
117.5%
85億円
2.1倍
集合住宅向け
101億円
109.8%
160億円
173.9%
富士経済推定
●
戸建住宅向けは、戸建住宅に設置される製品を対象とする。集合住宅向けは、分譲マンションや賃貸アパート向け、駅や商業施設に設置される公共スペース向け製品を対象とする。低価格帯から冷蔵機能やICカード認証機能を実装した高価格帯までさまざまな製品が発売されており、ECの普及に伴う配送件数の増加への対応策として需要が増加し、市場は拡大を続けている。
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戸建住宅向けは、一般消費者が購入しやすい低価格帯の機械式が中心である。エクステリアメーカーやハウスメーカーを中心に活発な製品投入がみられる。普及率がまだ低いため、不在時でも受け取れる利便性の高さや認知度向上により、今後さらなる普及が期待される。
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集合住宅向けは、分譲マンションや公共スペースでは、オンラインで管理できる電子制御式の高価格タイプが中心である。一方、賃貸アパートでは、導入や維持、管理コストが抑えられる機械式が中心である。分譲マンションでは、入居者の需要が高まっているため新築だけでなくリノベーション物件などでも設置が増えると予想される。賃貸アパートでは、低価格な機械式を中心に設置されており、入居者の設置ニーズも高いため今後の伸びが期待される。公共スペースでは、設置台数は着実に増えているが、利用率の伸びは小幅にとどまっている。
参考文献:次世代物流ビジネス・システムの実態と将来展望 2019
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