コンパウンドの世界市場 市場動向2

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今回は、コンパウンドの注目市場を解説する。

■PP(ポリプロピレン)コンパウンドの世界市場


汎用的なプラスチックとして、自動車、電気電子、食品包装フィルム、玩具、雑貨といった幅広い分野で使用される。用途の90%以上が自動車分野であり、市場は自動車生産台数の減少や世界経済の低迷により、2018年は微減となり、2019年は2018年比5.1%減と2年連続で縮小するとみられる。

自動車分野では内装部品や外装部品を中心に採用される。ECU筐体向けが新たな用途として注目されており、アルミニウム合金からの代替として、ガラス繊維により耐熱性を向上させたPPコンパウンドの採用が進んでいる。注目のグレードは、長繊維のガラス繊維で強化した製品である。耐衝撃性に優れており、自動車の軽量化ニーズの高まりにより自動車の外装部品を中心に採用が増えている。また、炭素繊維強化グレードの開発も行われており、価格やリサイクルの観点から汎用樹脂コンパウンドの中ではPPコンパウンドの採用が期待される。

長期的には自動車生産台数の増加に伴うPPコンパウンドの需要増加により、市場は再び拡大が予想される。

■PA66(ポリアミド66)コンパウンドの世界市場


機械的特性、耐薬品性、成形性に優れており、ガラス繊維を配合して耐熱性や機械的特性をさらに向上させて使用することが多い。2017年、2018年と原料需給のひっ迫が続き、数量ベースで伸びが緩やかだった一方、金額ベースは価格上昇により大幅に拡大した。2019年は自動車生産台数の減少により自動車分野の需要が落ち込み、市場は数量・金額ともに縮小するとみられる。需要減少により供給に若干の余裕がみられたものの、価格は変わらず高く、PA6コンパウンドなど他の樹脂への切り替えを模索する動きがでている。長期的には原料メーカーの供給能力の増強により原料不足は解消され、市場は数量ベースで拡大、金額ベースで縮小が予想される。

用途別では、自動車分野の需要が最も高い。金属代替・軽量化ニーズの高まりにより需要が増加しており、先行する欧州では、エンジンルームや機構部品以外にも、コネクター部品や外装部品などで多く採用される。また、エリア別にみると、先進国は自動車分野の需要が高い一方で、新興国では先進国から生産移管の進んだ電気電子分野の需要も高い。注目のグレードとしては、耐熱性とともに耐熱老化安定性を高めた高耐熱PA66コンパウンドがあげられる。自動車のエンジン周辺部品での採用が期待され、PA6コンパウンドや高耐熱PAコンパウンドなどと競合するとみられる。

■PPS(ポリフェニレンサルファイド)コンパウンドの世界市場


機械的強度や耐薬品性、高耐熱性、寸法安定性、耐湿熱性、成形加工性に優れ、樹脂自体に難燃性があり自己消火性も保有する。2017年、2018年とHV/EV用耐熱部品の需要増加により高い伸びとなった。2019年は自動車生産台数の減少に伴い需要が減少し、市場は2018年比1.3%増と小幅な伸びになるとみられる。

用途別では自動車分野の需要が最も多く、60%以上を占める。HV/EVの普及に加え、新興国ではまだPPSコンパウンドの使用量は多くないことから、採用の進展による市場拡大が期待される。

参考文献:2020 コンパウンド市場の展望とグローバルメーカー戦略

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