5G通信関連の世界市場 市場動向2

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■注目デバイス・材料の世界市場
1.基地局用アンテナ(基地局用構成デバイス・材料)
2019年見込2018年比2025年予測2018年比
4,560億円167.6%9,270億円3.4倍
富士キメラ総研推定
基地局で採用されるアンテナを対象とした。

市場はRUセクター数と相関する。D-RAN基地局ではBBUとRRHが同じRUセクターにあり、アンテナはRUセクター当たり1~3個搭載されるが、投資が進んでいるC-RAN基地局では、RUセクター数が増えることから、アンテナの出荷が増加し、市場が拡大すると予想される。

2.RRH(基地局用構成デバイス・材料)
2019年見込2018年比2025年予測2018年比
3,100億円130.8%1兆1,190億円4.7倍
富士キメラ総研推定
エッジ機器、もしくはBBUから受け取った信号を変換、増幅する無線送受信装置を対象とした。

D-RAN基地局などではBBU当たり1つのRUセクターが搭載され、RUセクター当たり3~5程度のRRHが接続されるが、BBU当たり10を超えるRUセクターを光張り出し局として集中制御するC-RAN基地局の登場により、RRHの需要が増加している。また、5G通信の方針として3GPP(通信仕様標準化プロジェクト)は省スペース化や高効率化を求め、アンテナ一体型のRRHを推奨しており、アンテナ一体型の代表であるMassiveMIMOアンテナの需要が5G通信対応の進展とともに増加するとみられる。MassiveMIMOアンテナは、32個以上搭載される個々のアンテナ素子に対してRF素子としてRRHが一つずつ搭載されるため、今後市場は大幅に拡大すると予想される。

3.基地局用CPU・FPGA(基地局用構成デバイス・材料)
2019年見込2018年比2025年予測2018年比
2,553億円3.2倍1兆7,600億円22.3倍
富士キメラ総研推定
基地局向けで採用されるCPUやアクセラレーター用FPGAを対象とした。

基地局向けCPUはBBUの構成部品の一つであり、A/Dコンバーターで変換されたデジタル信号をデジタル処理する機能を担っている。基地局ベンダーによってはFPGAを採用するケースもある。

基地局向けCPUは、BBUの一部を構成する要素であることから、市場はBBUの動向と相関する。5G通信で帯域幅が広がるため、CPUに求められる処理能力は上がる。また、BBUごとの電源能力も限りがあるため、低消費電力化も求められている。一部基地局ベンダーでは、自社でCPUを内製している。

C-RAN基地局への投資によって、集中型BBUに接続されるRUセクターの形式も多様になる。動的にネットワークの再構成を行うリコンフィグレーション性能が求められているため、FPGAの採用が進むとみられる。

4.モバイル機器用アンテナ(エッジ機器用デバイス)
2019年見込2018年比2025年予測2018年比
3,600億円102.0%9,850億円2.8倍
富士キメラ総研推定
携帯電話通信を行うために搭載されるアンテナを対象とした。etoothやWi-Fi、GPS、ワンセグなどのアンテナは対象外とした。

対応する周波数の増加により、スマートフォンを中心に搭載されるアンテナ数は増加している。LTEの周波数帯は700MHzから2.5GHz程度まであり、比較的広帯域であることからアンテナ分割が望ましく、加えて、MIMOやキャリアアグリゲーションに対応することでさらにアンテナが必要となるためである。LTEのハイエンド端末では1台に7~8個のアンテナが搭載されているケースもある。5G通信対応では、Sub6でアンテナの搭載係数は増加すると予想され、ミリ波では対応のアンテナが3~4個搭載される。今後も市場は拡大が予想される。

5.ベーパーチャンバー(エッジ機器用デバイス)
2019年見込2018年比2025年予測2018年比
168億円3.8倍698億円15.9倍
富士キメラ総研推定
ここではスマートフォンやゲーミングPCなどで採用される厚み0.4mm未満の熱拡散デバイスを対象とした。

ベーパーチャンバーは、以前はゲーミングPCやゲーミングスマートフォン、業務用タブレットなど限定的な採用にとどまっていたが、2019年にSamsungEl.「GalaxyS10」に採用されたことで本格的に市場が形成された。大手中国スマートフォンメーカーの5G通信対応モデルでも採用が始まっている。5G通信対応モデルではアプリケーションプロセッサー(以下、AP)の発熱が問題になるため、Sub6対応モデルが大幅に増加する2020年から2021年に市場は急拡大すると予想される。中国スマートフォンメーカーはミドルレンジまで5G通信対応を進めているが、ミドルレンジはグラファイトシートなど既存技術での対応となり、採用はフラッグシップからハイエンドにとどまり、ハイエンドの需要は飽和状態、また、APの放熱特性の向上によりベーパーチャンバーが不要になる可能性もあることから、その後、市場の伸びは鈍化する。しかし、2022年以降はSub6以上に発熱が問題になるミリ波対応モデルの増加により、市場が拡大すると予想される。

参考文献:5G通信を実現するコアテクノロジーの将来展望 2020

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