自動車向け二次電池(駆動用・補機用)の世界市場 市場動向1

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 2019年2035年予測2019年比
全体2兆6,728億円19兆7,185億円7.4倍
中国1兆3,286億円7兆3,169億円5.5倍
欧州4,531億円8兆1,579億円18.0倍
日本2,282億円1兆2,553億円5.5倍
※中国、欧州、日本は全体の内数

自動車向け二次電池(駆動用・補機用)の世界市場

2019年の市場は、2018年比11.0%増となった。中国や北米の需要を中心とするEV向けが市場拡大をけん引している。このほか、現状では1台当たりの搭載容量が大きいEVトラック・バス向けの占める割合も大きく、HVやPHV向けが続いている。2020年の市場は、新型コロナウイルス感染症の影響により縮小は避けがたい状況であるが、中長期的には堅調な拡大が予想される。2035年の市場は2019年比7.4倍が予測され、車種別ではEV向けが75%超を占め、PHV向けも15%超を占めるとみられる。

エリア別にみると、2019年時点ではZEV/NEV規制によって環境自動車の生産・販売が奨励される中国や北米の構成比が高く、特に中国が50%弱を占めている。中国では、中央政府が2012年から補助金政策による環境自動車の普及に取り組んでいる。補助金制度は2022年末までの延長が決定しており、車両の走行距離などにより補助金の額は異なるが、環境自動車の普及を後押しするとみられ、それに伴いEV向けを中心に市場も伸びるとみられる。また、車両価格が30万元以上のEVは補助金の支給対象外となるが、バッテリースワップ式EVは適用外であるため、今後の自動車メーカー各社による投入戦略が注目される。

北米では、EV向けの比率が90%近くを占めている。中長期的にはPHVやマイクロHV向けなども伸びるため、2035年にはEV向けの比率は70%程度に落ち着くとみられる。米国エネルギー省で取り組んでいる「Vehicle Technologies Program」では2050年までの環境自動車の普及目標を設定しており、また、カリフォルニア州をはじめとした11州は普及のために「Multi-State ZEV Action Plan」協定を結び、2025年に新車販売の15%がZEVとなる計画を立てている。これらの施策などによる環境自動車の普及に伴い、2030年の市場は2兆1,149億円が予測される。

中国や北米の順調な伸びに加えて、2020年以降は欧州では急激な需要増加が予想される。中国や米国のZEV/NEV規制と同様、自動車メーカーに一定規模の環境自動車販売を推奨するZLEVs(Zero-and Low-Emission Vehicles)規制がEU域内で実施される方針である。また、国別ではノルウェーやドイツ、フランス、英国、オランダを中心に普及政策が取り組まれており、近年はチェコやポーランド、ハンガリーなどの中東欧諸国も政策を拡充している。欧州では、企業やユーザー向けの施策やインフラ整備など各方面で環境自動車の普及促進策が進められており、今後EVやPHVの販売急増に伴う電池需要の増加が予想され、2025年には最大の需要エリアになるとみられる。

日本は、環境性能が高いHVが既に普及していることなどから、PHVやEVの市場自体は他エリアと比べると小規模であるものの、2030年を目標とする燃費規制の制定などによりEVやPHV、HV向けの需要が堅調に増えると予想される。

電池別にみると、EVやPHVで搭載されるリチウムイオン電池(LiB)の構成比が大きい。今後はEVやPHV市場の拡大に加えて、HVでの搭載も増えるため、大幅な伸びが予想される。ニッケル水素電池は日本メーカーのHVを中心に搭載されているが、2020年以降LiBに置き換わるケースが増えるため、中長期的に需要は横ばいから微増で推移するとみられる。電気二重層キャパシター(EDLC)は12V系マイクロHV向けがLiBに置き換わるケースが増えるものの、低コスト性や回生効率の高さから燃費性能のベースアップ技術として今後も搭載が期待される。リチウムイオンキャパシターは12V系マイクロHVの次世代高付加価値車種への搭載など一部での需要が予想される。

■補機用二次電池の世界市場

 2019年2035年予測2019年比
ICEV/ISSV向け1兆7,149億円1兆3,646億円79.6%
環境自動車向け700億円6,824億円9.7倍
合計1兆7,849億円2兆470億円114.7%

2019年の補機用二次電池の市場は2018年比2.5%増の1兆7,849億円となった。ICEV(内燃機関自動車)/ISSV(アイドリングストップ自動車)向けが大部分を占めるが、環境自動車でも蓄電デバイスシステムのECUを起動させるために搭載されている。車両販売自体が減少するICEV/ISSV向けは2020年代前半にピークアウトするものの新興国や更新による底堅い需要が予想される。環境自動車向けは欧州や中国を中心に大きく伸びるとみられ、2035年の市場は2019年比9.7倍が予測される。

エリア別では、自動車普及台数に連動し、2019年時点では中国が最大の需要地となっており、北米や欧州が続いている。長期的にもこれら3エリアの需要増加が市場拡大をけん引し、さらに環境自動車向けを中心として欧州を軸に鉛電池(Pb)からLiBへの代替が徐々に進むとみられる。また、コネクテッドカーや自動運転車では電装部品の増加によって、搭載容量増加や小型化のニーズが高まるとみられる。

電池別では、2019年時点では大部分がPbであり、LiBやELDCは一部の需要にとどまっている。2025年頃から欧州を中心に環境自動車向けでLiBの搭載が増えるとみられる。2035年時点でもPbが90%以上を占めるものの、LiBの構成比も7%弱に上昇すると予想され、特に欧州ではLiBの割合が25%強まで増えるとみられる。

対象品目
二次電池・鉛電池(Pb) ・ニッケル水素電池(NiMH) ・リチウムイオンキャパシター(LiC) ・リチウムイオン電池(LiB) ・電気二重層キャパシター(EDLC)
車種・マイクロHV(12V系、48V系) ・PHV ・マイクロEV ・EV ・内燃自動車(ICEV)・HV ・EVトラック・バス ・アイドリングストップ車 ・HV/PHVトラック・バス ・FCV(ISSV)

参考文献:エネルギー・大型二次電池・材料の将来展望 2020 電動自動車・車載電池分野編

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