■注目市場
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フィルム代替紙製品
| 2020年見込 | 2019年比 | 2023年予測 | 2019年比 |
世界市場 | 36億円 | 5.1倍 | 140億円 | 20.0倍 |
国内市場 | 8億円 | 4.0倍 | 42億円 | 21.0倍 |
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環境問題への対応で脱プラスチックの動きが強まっており、プラスチックフィルムの代替素材として紙が注目されている。中でも、ヒートシール紙とバリア紙の製品化が進んでいる。ヒートシール紙は紙基材にヒートシール層が塗工されており、主に二次包装として利用される。バリア紙は紙基材にバリアコート層が塗工され、一次包装でバリアフィルムの代替として採用される。
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紙包材は、フィルム系包材と比べて、価格面以外にも見た目やしわになりやすい点など課題があるものの、フィルム代替として需要は急増している。特に、レジ袋や食品包材など、使い捨てプラスチックの代替として伸びている。
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以前から技術的に製品化が可能であったが、コスト面の課題や需要動向により、2017年頃までは本格的な製品展開はみられなかった。脱プラスチックの動きを受けて、2019年に大手食品メーカーが粉末飲料や菓子類の包材にヒートシール紙を採用するなど、市場は本格的に立ち上がり、2020年は36億円の市場が見込まれる。
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現状、PETフィルムやOPPフィルムなどの各種フィルム代替として、ヒートシール紙の使用が中心である。今後、バリア性が不要なフィルムの代替需要が増えるとみられる。バリア紙はチョコレートなどの一部菓子類の包材として採用されているが、価格面やバリア性の向上などが課題となっている。
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PLAフィルム・シート
| 2020年見込 | 2019年比 | 2023年予測 | 2019年比 |
世界市場 | 556億円 | 120.9% | 897億円 | 195.0% |
国内市場 | 19億円 | 100.0% | 21億円 | 110.5% |
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PLA(ポリ乳酸)は植物由来の生分解性プラスチックであり、フィルム・シートは主に食品用途の容器・包装で使用される。特に、シートがサラダ容器やフルーツ用カップ、鶏卵用パックなどで採用が増えている。
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環境意識の高まりにより、石油プラスチックの代替需要が増加している。特に、欧州や北米での需要が高い。欧州では2021年から食器やストローなどで使い捨てプラスチックの使用が禁止となるため、PLAへの切り替えが進んでいる。また、韓国では大手コーヒーショップチェーンが食品包材として採用している。
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需要が急増しているため、原料供給がタイトになっており、大口ユーザー向けに供給が集中する傾向がみられる。原料メーカーの生産設備の増強により供給が安定するのは2022年から2023年頃になるが、当面は年率15%以上の市場拡大が期待される。
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国内ではプラスチック資源循環戦略の数値目標に沿ってバイオプラスチックの採用が進むため、PLAについても脱プラスチックの動きを背景に市場拡大が期待される。
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参考文献:2020年 プラスチックフィルム・シートの現状と将来展望 |

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