次世代電池の世界市場 市場動向1

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■全固体電池の世界市場

 2020年見込前年比2035年予測2019年比
全体34億円178.9%2兆1,014億円1,106.0倍
硫化物系 1兆5,775億円
酸化物系14億円4,452億円
※硫化物系、酸化物系は全体の内数。

現状、酸化物系と高分子系の市場が立ち上がっており、2020年は34億円が見込まれる。当面は酸化物系、高分子系がけん引するが、将来的にはxEV向けの需要を中心とした硫化物系の伸びが期待される。錯体水素化物系は2030年頃から市場が立ち上がるとみられる

■硫化物系
硫化物系は、参入電池メーカーが2020年代前半の実用化に向けて研究・開発を進めており、現状はサンプル出荷が開始された段階である。当面の採用は宇宙向けなどの特殊用途に限定されると想定される。

量産技術の確立などの面で課題があるものの、将来的にはxEV向けで需要増加が期待される。2020年代前半には、大手自動車メーカーが硫化物系を搭載したEVを発売するとみられ、2025年頃から採用車種の増加が予想される。以降、中国電池・自動車メーカーの参入も予想され、市場が活発化すると想定される。2030年頃から本格的な普及段階に入り、他モビリティにも採用が波及するとみられ、2035年の市場は1兆5,775億円が予測される。

製造プロセスは量産や大面積化が可能な湿式塗工法が有力である。この製法では現行のLiBの製造技術が応用できるため、量産規模の拡大に伴い低コスト化が進展し、ESS(エネルギー貯蔵システム)など他大型用途への展開も期待される。

■酸化物系
酸化物系は、タイプごとに異なるアプリケーションでの採用を目指して製品化が進められている。大型用途を想定するバルク型(全固体/疑似固体)と、小型用途で実用化が進む薄膜型/積層型に分けられる。

バルク型は、xEVをターゲットとして研究開発が進められているが、全固体電池の実用化は技術的なハードルが高いため、現時点では疑似固体電池が製品化されている。疑似固体電池は、固体電解質を主材料としてイオン液体やゲルポリマーを微量添加しており、全固体電池と比べると性能は劣る。しかし、現行のLiBと比べて安全性が高く、パック当たりの体積エネルギー密度向上、入出力特性の改善が進むなどの利点があるため、2020年代前半にはEVへの搭載が予定されており、普及が進むとみられる。バルク型の全固体電池については、中国電池メーカーによる疑似固体電池からの技術進展や、欧米ベンチャー企業による研究開発により、2030年代にxEVに搭載可能な製品が実現するとみられる。

薄膜型は、2013年頃から製品化が進められており、ウェアラブル機器やICカード、IoT関連の採用が期待される。薄型で、省スペースや基板実装が可能などの特徴があるが、製造コストが高く、容量の増加が難しいため、採用アプリケーションは限定されるとみられる。積層型は、MLCCやチップインダクタの技術が高い日本電池メーカーが積極的に展開している。

小型で耐熱性や安全性に優れるなどの利点があり、基板実装が可能であるためアセンブリコストや搭載スペースの削減も期待されている。センサーや無線通信モジュールなどのIoT関連、ウェアラブル機器、太陽光発電と組み合わせたエネルギーハーベスティングなどでの採用が期待される。

■高分子系
高分子系は、EVやEVバス、ESS向けの展開が一部でみられ、現状は欧州での需要が大部分である。安全性が評価されており、EVやESSで採用が進むと予想される。中国電池メーカーが製品化・量産化を進めており、容量をはじめとした性能面での課題が改善されることで、2030年以降に市場が本格化するとみられる。

■錯体水素化物系
錯体水素化物系は、2020年代前半まで材料の基礎開発と実証実験が進められ、2025年前後の商品化が期待される。参入電池メーカーはEVでの採用をターゲットとしているが、性能評価や量産体制の整備に時間を要するため、耐熱性や高容量密度を必要とする特殊用途やウェアラブルなどの小型用途から採用が始まるとみられる。

■調査対象

次世代電池
全固体電池
・硫化物系 ・酸化物系 ・高分子系 ・錯体水素化物系
非リチウム二次電池
・金属空気二次電池 ・ナトリウムイオン二次電池 ・カリウムイオン二次電池 ・マグネシウム二次電池 ・フッ化物イオン二次電池 ・有機二次電池 ・バイポーラ型鉛蓄電池
新型リチウム二次電池
・全樹脂電池 ・クレイ型電池 ・グラフェン電池 ・イオン液体採用電池 ・高濃度電解液採用電池 ・リチウム硫黄電池(Li-S電池) ・Si系負極採用電池 ・金属Li負極採用電池
次世代電池材料
・電解質 ・正極活物質 ・負極活物質 ・セパレーター ・バインダー ・集電体
次世代電池応用製品
・自動車 ・定置用電力貯蔵システム ・小型民生用途/その他有望用途

参考文献:2020 次世代電池関連技術・市場の全貌

技術革新が進む自動車業界特集


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